選べるよ

日々

選ぶこと

いつも小さな選択をしているね。お店に入ったときにメニューを決めるのも、カフェで今日はアイスにするかホットにするかとか、今日の服の色は何色にするとか、とにかく小さな選択の連続が今を作っている。そんな小さなことぐらいパッと選べるよとあなたは言う。そうだね。そうしないと外に出かけることさえままならないからね。でも、いつも悩みを抱えている。その悩みはそんなちっぽけな選択とは次元が違うと思い込んでいるね。でも本当にそうなのかな。その悩みは人間だけが持てる宝物だね。なぜならたくさんの選択肢を設定する能力があるからこそ悩みは持てるんだよ。悩みは人しか生み出させないもの。そしてそれを生み出したのは他でもなくあなたなんだよね。あなたが自らわざわざ生み出したそいつが、いつも悩ませている問題そのものなんだよ。おかしいね。自分で生み出して、自分でそれに苦しんでいるなんて。え?そんなわけないって?

大きな悩み

悩みは大きくなると、今日はどの靴を履いていこうかなっていうような小さな選択肢ではなくなると思っているね。そう、靴の色は自分が好き勝手に決めたらいいこと。人間関係や社会や仕事に関する悩みはそうはいかない。相手や他人が関わってくるからそう簡単には決められないこと。そう固く信じて疑わないけれど、もう少しよく考えてみてよ。本当にそうなのかな?できもしないことをやろうとするから悩みが生まれているんじゃないかな。無理なことは無理だよね。例えば、あの人はどうもうまく仕事をやろうとしないタイプだから、何度言っても同じ失敗を繰り返している。なんとかあの人をそういう失敗のループから救ってあげることができないかと思い悩んでいるとする。ここには大きな間違いが潜んでいるね。あの人の心の中を知ることはできない。ということは、あの人の失敗を繰り返すことをなんとかしてあげることはできないってことだよね。あの人の代わりを生きてあげたいといくら願っても、それは叶わぬ夢だというくらいは知っているはずなのにね。でも、あの人を変える方法と力がわたしにはあるって思うのはどうしてだろうね。

できること

あらゆる悩みは自分で生み出しているもの。自然のものではない。むしろ自然な流れを堰き止めてしまうから余計に大ごとになって手に負えなくなるね。いよいよもうダメだと思う時、どんなことが起こっているかを考えてみてよ。最悪な結末になる時のあなたの心の状態はどうなっているか。それは、もう万事休す、万策が尽きたと思っているね。つまりたくさんあった選択肢がもう目の前になくなったと思い込んだ時だね。そこで、選択肢がなくなったと思い込む前に、思い出して欲しいことがある。そもそもその悩みは、外から与えられた試練のような顔してあなたの目の前に鎮座しているけれど、そうじゃないことをね。それは自分が描いたドラマの台本の中のものだったはず。そう、自らが生み出した悩みという作品だってことを忘れてしまっているよ。ここ大事なところだよ。悩みなんてどこにもなかったのが元通り。それをわざわざ生み出したのはあなた。そして今、自分で生み出した悩みにコテンパンにやられようとしているあなたがいる。演じることに長けたあなたはまるでそれが天が与え賜うし試練だなんていう「心の言葉」のセリフを言っているけれど、それもあなたが前に書いた台本通りなんだよ。
だからいつでも「カット」の言葉で台本を書き換えられるし、何ならそれごとポイってボツにしちゃえばいいんだよ。深刻さは演技であって事実ではないんだからね。