眩しいあなた
固まりゆく観念
いつの間にかあなたの観念は、凝り固まっていてどんどん固定化されているね。その原因は観念はすべて言葉で出来ているからだね。だから言葉を駆使して思考すればするほど、もう揺るぎない観念として固着してしまうことを意味しているね。まさかそのイメージや映像さえ浮かんでいる思考そのものが言葉でできているなんて思いもしないね。だからそれも大抵は気がつかないうちにどんどん固まっていくね。でも実際はどうなんだろう。似たような日々とこれまた固定化された観念で見ているけれど、実のところは同じ日なんてどこにも見当たらないね。それこそ星の数だけ日々がコロコロ違っているはずだね。同じ人がいないようにね。本当は気がついているね。シンプルに日々新しく生きている。瞬間瞬間に生まれ変わるが如く生きている。でも、どうしたってそうは思えないあなたがいる。毎日が初めての日なのに何かおかしいと思わないかい?
思考の達人
そりゃ細かく観察すればたくさんの差異がそこにはあるね。というか、差異しかないはずだね。でも、大雑把に見れば代わり映えのしない世界の中を過ごしている、と思い込んでいること自体が思考そのものなんだよ。そんな些細なこと気にしていては、毎日の辛い日々を乗り越えられないと思っているね。そうなったのはいつぐらいからだろうね。歳を重ねていくうちに、随分と物事にきちんと向き合って来なかったからかな、なんてまた思考を始めてしまう。そう、その思考の癖が原因だね。思考はありもしない時間を生み出す。因果関係のためにね。関係性をどんどん構築して整理している。物事を大まかに見られるのも思考による関係性の固定化によるものだね。だから今何にも見ていない原因の一つは、やっぱり言葉をフル活動させている思考が原因かもしれないね。もはや思考の達人になっているあなたからすれば、何も経験することもなくやる前から結果が先に浮かんでしまっているんではないかな。その得体の知れない不安で日々押しつぶされそうになっているってわけだね。
やらないとわからない
やらずとも分かるあなたはもはや神の領域のはずなのに、何故か苦しみばかりが増えていくね。その苦しみもまたやる前から分かってしまうから、さらにどんどん苦しくなるという悪循環に陥ってしまっている。そこから脱却するには、とにかくその固定化された世界から解き放たれる必要があるんだ。そのためには、言葉は思考であり、記憶であり、従って目の前の出来事とは全く関係がないことに気づくことだね。あれこれ考えれば考えるほど、その罠に引っかかるから注意しないとね。ほら、また考えているね。思考は常にあなたの心を支配しているよ。思考が止まるときは世界が終わるときだなんて、まさかそれも思考がそんな結論をあなたに見せているのかもしれないよ。
夕陽が眩しい
仕事を終えて家路に向かうあなたに、真正面からたまたま夕陽が差し込んできた。昼間とは違って優しいオレンジ色とはいえ、かなり眩しく光っている。角度がちょうど夕陽と正対したときに、あなたは光の束に包まれて何も見えなくなるね。そういう時だけ思考が一瞬止まるね。まさに息を飲む瞬間だね。そうして光に包まれた時に、実はその悪循環から少しだけ抜け出している。そんな時は存分に夕陽の光を浴びてそのエネルギーだけを感じるひとときを大切にしよう。その時はあなたも眩く輝いているんだからね。