あなたじゃないあなた

日々

世界の始まり

小さな頃から仲間分けや仲間外れは何かを教えられている。大人になったあなたは、何気なく普段から無意識にあらゆるものを分ける癖がついているね。実はそれがこの世界の原点なんだよ。そうして、それはあなたがまさに今のあなたであるために始まっているんだよ。大雑把にいうと、それとそれ以外という世界が生まれて、その世界にしかあなたは存在できないんだよ。だから、あなたがあなたであるためにあらゆる事を分ける必要があるわけだね。もしその区別が溶けてなくなってしまうと、もはやあなたは生まれる前に戻ってしまって何者でもなくなってしまう。この世界は認識の世界。認識とはあなたとあなた以外を区別するところから始まる。何かを認識するということは、そういうことなんだよ。

分別がつく

そうしてあなたは、今の世界を生み出した。世界が生まれたとほぼ同時にあなたもこの世界に生まれたんだね。分別できるように教育をさらに受け、あなたを見守る存在を生み出して成長し認識を深めてきたわけだ。もう今では大人と呼ばれる段階にあって、あなたは確固たる存在として今もそこにいるね。さらにあなたの性格とか気質とかそういうものも合わさって補強されていく。もう、あなたはあなたという存在を無視することは出来なくなっているから、その上であらゆる感情を想起させる事ができるようになっている。さらにその感情のせいであらゆる行動を起こしている。まるであたかもそこに独立したものであるかのように思い込んでいるね。すべてはあなたとあなた以外の区切り線から始まったことだね。

あなたはあなたじゃないすべて

そうやってあなたの認識や理解をずっと深めてきたつもりなんだけど、あくまでもそれはどこまでいってもあなた以外の影響を完全に取り除くことは出来ないね。いや、むしろあなた以外の反転としてあなたがあるわけだから、あなたはあなた以外のすべてであるとも言えるね。単にあなたはそこにいるつもりなだけで、確固たるあなたなんて実は何処にも存在しない。あなたの周りのすべての影があなたを作っているだけだね。それに気づけば、あらゆるあなた以外の物事が愛おしくすべてに感謝しかなくなるね。もともとひとつだったとよく言われるのはそういうことなんだよね。そしてたぶんそれがたったひとつの真実なんだよ。