聞こえている

日々

空間オーディオ

最近のヘッドフォンやイヤフォンはノイズキャンセリングという機能がついているね。原理的には外部の音をマイクで拾って、その音を打ち消す反対の音を出してノイズをなくしているらしい。今はそれがついているのがはやっているのだろうね。人によっては打ち消す音の違和感があって気分が悪くなったりするみたい。音は空気の波でできていて、その反対の音の波を出して打ち消すんだけれど、全く同時で全く正反対の波を計算して作っているから、もうわからないぐらいのズレなんだけれど、そのズレを感じることができる人もいるみたい。大抵の人は、そういう仕掛けのついたヘッドフォンを装着すれば、シーンとした無音とまではいかないまでも、ちょっと静かな図書館ぐらいには周囲の雑踏の音が聞こえなくなる。その上で好きな音楽を聴いている。今までは周囲の音がうるさくて、その音に負けじとヘッドフォンの音量をあげていたけれど、そうしなくても音楽を楽しむことができるっていうわけだね。

鳴り止まない音

最近の流行りのノイズキャンセリングという技術は、音を打ち消すために音を鳴らすという、なんだか不思議な感じがするね。そう、静かな空間を感じるためにあらゆる音を普通のヘッドフォン以上に鳴らしていることになる。音楽だけがなっている従来のものでは、音のない静かな空間でないと本来の音が楽しめない。けれども、音楽を楽しむということの定義を覆すのがノイズキャンセリングという技術だね。うるさいならうるさくしてやれという発想は、毒には毒を持って制す、みたいな感じなのかな。とにかく物理的には騒がしい雑踏の中で音楽を楽しむには、雑踏の音の逆位相の音と音楽をがんがんに鳴り響かせているということになるね。

聞こえる音

音に音を重ねて聞こえなくしている仕組みだから、人によっては気持ち悪くなる場合もあるみたいね。合わない人には違和感でしかない。どんどん技術が進んでその違和感も低減していくのだろうけれど、確かにまだ違和感が全くないところまでにはきていないね。でも、ノイズキャンセリングをオンにしてしばらく雑踏の中で音楽を聴いてから、ヘッドフォンを外したときに、なぜかまだノイズキャンセリングが効いていると錯覚する瞬間があるんだよね。あれ?もうヘッドフォンを外したはずなんだけどと確かめてみたりする。どうやら聞こえているその音は、実際の振動を全て鼓膜の振動として感じているわけではなく、そこから聞きたい音を選択しているようだ。つまり、あなたはずっとノイズキャンセリング機能をすでに持っていたということに気づくんだよ。聞きたい音が聴こえるということは、その音はあなたが出しているのと同じってわけだね。