モノより思い出
散財
そんなもの買ってどうするの?っていうものを欲しがるあなたは、何を埋めようとそうしているのかな。きっとあなたも分かっているね。どれほど手にしても満足できないでいることを。でもどうすることもできないから、手当たり次第にあらゆるものが欲しくなる。それは、ものが欲しいのではなく思いを紛らわせるための手段でしかないね。だから、手にした後にどうなるかもお見通しってわけだね。
満たされぬ思い
空っぽな心の中を何かで埋めようとしているのは、空っぽかどうかを確かめたい思いに支配されているからだね。なんとかその隙間を埋めているあなた自身を確かめようとしている。だけど残念なことにものではその隙間は一向に埋まらない。そんなことは百も承知なんだけれど、じゃあ他にどんな方法があるんだとあなたはいつも毒づいている。それにはいい方法があるね。ものを持たないようにすれば良いだけなんだよね。ものは持った瞬間にあなたを雁字搦めに制限するパワーを持っている。だからものを捨てて何もなければその制限に気がつくという仕掛けだね。すでに満たされていると分かるのは、ものを持つという怖さに気がつくからだね。
モノに縛られる
何かを手にすると、それに縛られてどんどん不自由になるね。例えば、旅行に行くのでせっかくだからと新しいカメラを買ったら、今度はそのカメラがあなたの行動を操り始める。せっかくいいカメラを無理して買ったんだから、代わり映えのしない場所なんて行き先に選べなくなったりしてあなたを悩ませることになるね。気軽に出かけて楽しむということのための旅行が、高級カメラでレンズ越しに風景を撮ることに縛られて、その時の思い出はすべてカメラを構えていることしかなかったりする。本末転倒とはこのことだね。だからカメラを捨て去ればいいんだよ。これであなたは近所の散歩でも楽しめるようになる。あなたを苦しめているものを捨てるとは、その制約を捨てることなんだよ。ものはあなたを虜にする魔物でもあるね。そんなふうに一度取り憑かれてしまうとあなたは簡単に乗っ取られてしまうから、気をつけてね。