見えないあなた

日々

寂しさ

せっかく打ち解けてきたと思った途端に、もうあなたはどこかにいっていなくなっちゃうのね。何とも言えないこの感じを寂しさというのだろう。切ないようなすべてが儚く移ろう感じというか、でもこの感情はとてもよく知っているものだね。でも、その期間が長い短いとかいう基準ではなくて、うまく言えないけれどこの広い世の中でほんの束の間であっても出会えた奇跡に感謝している。始まりがあって終わりがあるように、出会いがあって別れがあることはこれまで何度も経験してきてよく分かってはいるんだけど、何度体験してもなんとも言えない寂しさに包まれるね。

そこにいる

いつも当たり前のようにあなたの存在を感じていたけれど、本当にそこにいたのは一体誰だろう。ふとそんな疑問が浮かんでくるね。そこにいると思っているだけで何の確証もないことに気づくと愕然とするね。それはすべては過去の記憶を見ているにすぎない。今ここにあなたは見えないのに、あなたを感じているのは記憶がそうさせている。記憶がそんな風に感じているあなたをせせら笑うけれど、今ここには見えないんだよね。さっきまでは一緒にいたと言うことはできるけれど、今はきっと家でくつろいでいるだろうとあなたが想像しているだけだね。あなたが生み出しているだけの、ほら、すぐそばにいるという感覚って実はあなた以外の誰にもわからないね。

見えないあなた

ずっと一緒にいたよ。苦労をともにしてきたよ、という相棒や親友やパートナーって、よく考えてみるといつもずっと見ているわけではなく、気がついたらそこに見えるだけだね。あれこれ話していたつもりだけど、一体何を知っていたのだろう。今となっては謎のままあなたは見えなくなる。思い返せば全てがそうだね。特別なことではない。けれど、見えなくなるだけで不思議なことにその瞬間は特別なことに変わる。だっていつもうまい具合に気がついたら出会って、役割を終えたかのように去っていく。その繰り返しだからまた違う形であなたにきっと出会えるだろうね。それまで見えなくなるけれどしばしのさようならだね。そしてまた次のあなたが見えるようになることを知っているよ。