水鏡

日々

さざなみ

風が吹くと水面に波が立つね。波はいずれぴたっと収まって水面がまさに静かになる。まるで鏡の板のようになってそこに水が満たされていることすら分からなくなるね。それも束の間でまた風が吹くとそれに応じて波が立つ。それの繰り返しだね。そんな風にあなたも確認するがために揺れてそこに波が立つ事でパッと現れるね。何もしないと波は消えてなくなる。それは鏡ではなくてあなたであるという確認のためにわざと波立たせている。

完璧

そう、普段のあなたは真っ平らなんだけど、それは完璧すぎてあなたがそこにいる事すらわからなくなるね。だから、わざわざ揺らして確かめているんだね。波風が立つとあなたはあなた自身を憂いでいるけれど、それをしているのも実はあなたなんだよね。それでやっぱり静かな方がいいと言っている。初めからそうなっているのに。じっとしていればそれだけで完璧なのになんだか変だね。あなたは何もしなくてもそれだけでいいんだよ。

下手な考え

あなたはあれこれと不本意ながら波風を起こしている。いやわざとかもしれないね。いずれにせよ、それで波が起こると誰がそんなことをやっているのかと騒いでいる。自作自演とはこのことだけど、当の本人のあなたはいたって大真面目に演じている。もちろんその原因はあなたであることは間違いないね。そこにいるのはあなたしかいないんだから。あれこれとありもしないことを考えて不安になっている。そうやってあなたはあなたであることをそこで確認しているわけだけど、そんな事しなくてもそこには初めから豊かな水が湛えられている。だから何もしなくてもそれだけで大丈夫だよ。上手くいってもいかなくてもそれは単なるさざなみ。ずっとあなたは静かに満ち溢れているのだからね。