共鳴
響き合う
音がふくよかになる楽器は、楽器の中に部屋をもっていて、そこで共鳴させている。ギターとかバイオリンとかチェロとかの弦楽器がそういう構造になっているね。最初に震えているのは細い弦なんだけれど、その震えを木の表面に伝えて、小さな木の箱の中で共振させて大きな音を取り出している。空気の振動が音となって伝わるのに、一旦小さな木の箱に入れると共鳴してより大きな音としてだけでなくていろんな倍音が含まれて豊かな音になって聞こえるね。弦を震えさせているエネルギーを小さな箱の中で共振させることでより大きなエネルギーとなって伝わる構造がもたらす効果でもあるね。
あるけど見えない
今は学校で音の伝わる仕組みを習うようになっているから、空気の振動が音の正体と知っているね。でも、昔の人は音がどうして聞こえるのかはわからなかった。普通に考えて空気は目に見えないし、木の箱の中を覗いてみたところで何もないように見えるね。でも小さな木の箱をつけると、びっくりするほど豊かで大きな音が取り出せるんだよね。そりゃ理屈がわからなければ手品と同じでかなり不思議な思いをしたと思うね。今は種明かしされて誰も気にもとめないことになってしまっている。でも、よく考えるとその分、震えるタイミングが合えば大きく共振するということすら気にしなくなっているね。
響き合う
心も見えない。音と一緒でそこにあるのは間違いなく感じている。音楽をやっていると知っている人が多いと思うけれど、みんなで一緒に演奏したとしても、おそらくほんの少しだけの何かでいまいち気分が乗らないときがあるね。そもそも演奏が上手下手とかもあるだろうけれど、それがピッタリとまさに「息が合う瞬間」っていうのを感じられるかどうかで気分が乗るか乗らないかが決まる。それがたまに起こるととてつもなく気持ちが良くなるんだよ。それを体験してしまうと音楽の虜になってしまうんだよね。これは音楽だけでなくて集団スポーツでも同じだね。ピッタリと息があった瞬間に最高の何かが生まれる。そう、息も吸って吐いての一定の繰り返しの比喩だね。エネルギーは波動のような見えない何かで、なんだかよくわからないけれどその波長がピッタリと合う瞬間に恍惚とした幸せが訪れるんだろう。共鳴とか響き合うという意味で相手の呼吸をいつも以上に感じられるようにしてみてはどうかな。きっと何かがうまくいくかもしれないね。