足るを知る
もうちょっと
いつも何かがちょっと足りないぐらいがちょうどいいというサインだね。うんざりするほどではないけれど、だからといって全然足りなくて困ってもいないという塩梅がいいところだね。でもあなたはいつも、もっともっとと求めてしまう。あなたは気が付いていないだけで、もうすでに十分に満たされていて溢れているのにもかかわらず、それでもまだ足りないと嘆いている。足りないと思い込んでいるからずっと不満に思っていて、唯一の悩みはそれだったりするね。でもあなたの周りには溢れた欲望でびちょびちょに濡れているのにね。
今にいない
あとちょっと、もう少し、と思う心はどこにあるのだろうね。おそらくちょっと先をいつも見ているせいで、心ここにあらず、っていう状態だね。大体の不安や不満はこれのせいだね。あともう少し幸せになれますように、とか、この苦労の向こう側には楽しいことがきっとあるからそれまで頑張ろうとか、あともう一歩足りていないから明日までにはなんとかしようとか、どれもこれも願望や欲望の全ては全くもって、今にいない。将来の夢は?と聞かれて、いい大学に入っていい会社に入り、安定と地位を得て安心して暮らせるようになりたいです、なんていう人は少なくなったかもしれないけれど、逆になるようになるさ、という人もそれほど増えないね。夢を見て生きることは素敵なことだと思わされているけれど、果たしてそれはどうしてだろうね。
夢は叶っている
コツコツと真面目に夢に向かって歩み出す姿勢を高く評価される。だから、評価を求めてそういう人生を送りたいと心から思っている。そうすると、今で満足するなんてことはありえないことになるね。だって、より良いところを常に目指すわけだから、今を見ていてはダメということになる。果たして本当にそれがいいことなのかな。昨日より今日、今日より明日と改善してよりよき人生を歩むべし。そのための努力は一瞬たりとも怠らないこと。それが人の生きる道だとすれば、常に未来に幸せがあり、今に満足することは慢心することになってしまう。それだと、幸せや充足は常にここにはなく、少し先にあるからずっと足りない今が続くことになる。それは苦しいだけの人生だね。そのことに気がついたら、今すぐ夢を叶えてしまえばいいわけだよ。今すぐ幸せになればいい。足るを知るとすぐにその悪夢から目覚めるってわけだね。