気になる本能
人見知り
臆病者だからあなたは生き延びてきた。そう、それが生存本能だね。何か異常や危険を素早く察知することが、生き残りの秘訣なのは間違いない。おおらかで小さなことは気にしない人もいるけれど、現代では良い性格で親しみやすいなんて褒められたりするけれど、まだ人類が狩猟採集時代の頃では野生の動物にとって食われる可能性も高い。本来は臆病で小さな足音にもビクビクしながらこっそりと息を潜めているはずだし、その方がいろんな危険から身を守れたはずだね。だから勇気が少し足りなくて、ちょっとした変化に敏感なことは正常なんだよ。そういうふうにしてきたから今があるってわけだね。
対人関係
大勢の人の前で何かを話すのが苦手なのも、実はあなたのせいではないんだよ。対人関係が古来からとても重要だった。先史における人類の死因のトップが人が人に殺されてしまうことがほとんどだった。だから相手がどんなふうに自分を見ているのかを知ることは、生き残るためにはとても大切なことだった。だから、どんなふうに話をすれば利害関係が生まれず、誤解もされず、できれば可愛がってもらえるかどうかだけをいつも考えている。それも生存本能だから、あなたは知らず知らずのうちに冷や汗をかいて、呼吸は荒くなり、ドキドキと心拍数は上がるんだよ。生きるか死ぬかのことだから当然だね。だからあがり症とか緊張しすぎなんて嘲笑されても気にしないことだね。そういうふうにしてきたから今生き残っている選ばれし人なんだから。
注意力散漫
何をやっても集中できず、ちょっと難しい本とか読んでいるとすぐに眠くなるね。そうなると食べ残していた戸棚のおやつが気になり出したりする。もう締め切りが間に合いそうにもない時なのに、気分が乗らなくてつい他のことをしてしまうね。実はそれも本能なんだよ。一つのことに集中できる環境が整うのは、狩猟民族であった頃にはとても少なかったからね。常に周囲に気を配っていないと、いつ野生の動物の餌になるかもしれない。現代では幸いにもそんな状況はほとんどないから、じっと席について話を聞くことができないと病名がついて病気扱いとなってしまう。でもそうやって生き延びてきた人類の能力が強く残っているだけなんだよ。