対話

日々

聞こえない話

話し合いが成立するためには、二つの条件が必要だね。それがないと対話は成立せず、一方的に自分の都合を押し付けるか、相手の要求を全否定するか、または全く聞き入れないかのいずれかになる。対話が成立していることはむしろ稀で、ほとんどが押し付け合いか、都合よく聞こえない会話になっている。人間関係がうまくいかないことが頭を悩ませる第一位であるのは、むしろ当然と言ってもいいね。お互い話を聞く耳を持たないのに、関係がうまくいくなんて奇跡に近いのだからね。

敬意

なんであれ、まずは話をしている人に対して敬意を払うことが基本だね。だからと言ってあなた自身を卑下することはない。謙ることも必要ではなく、お互い対等な立場であるからこその敬意だね。それが最初から上下関係とか、あいつなんてあなたよりも格下だな、なんていう見方でしか見られないようなメガネをかけてしまっていると、対話は成立しない。だから元から聞く耳も持たないし、何を言われてもあなたの心には響かない。敬意を持って聞くというのは、結局は心の耳をむけるということなんだよ。それがないと対話は成立しないね。

疑念

相手の話を心の耳で受け止めたとしても、あなたと考えが合わない時はやっぱり受け入れ難いね。だから敬意を持って聞いても同じことじゃないかとあなたは言うね。確かに意見が相容れないときは結局表層的には同じに見えるけれど、実はそうではないんだよ。相手の話がとるに足りないことだと感じたときに、あなたが思っているその考えは本当に適切なのかをチェックする必要があるね。自らの考えに対して疑念を抱くことで、どうしてそう思ったのか、なぜ違う意見を受け入れ難いのか、その理由を再検討するようになるね。常にチェック機構を働かすことで単なる思い込みや聞く耳持たないという思考停止状態から目覚めるきっかけになるんだよ。つまりは誰かと話をしているつもりでいるけれど、実はあなたの心の中での問題ってことになる。ということは、対立する相手なんて実在しなくてすべてはあなたの内側の問題ってことになるんだよ。