負けるな

日々

勝ち負け

必ずこの困難に打ち勝つとか、この病魔に勝つとか、己に勝つとか、とにかく勝ち負けにこだわった表現が多いね。人類はそうして文明を手に入れ、他の生物よりも勝つことによって現代の豊かな暮らしがあるんだから、勝ち負けには拘った方がいいなんて自然に思っているね。負けるということは不幸なこと。なんでも勝たないと幸せにはなれない。そういった価値観が当然のように振り回されている。けれどよく考えてみて何に勝っているのだろうね。競争相手、ライバル、病魔、自分自身、色々とその対象を変えて勝ち負けの表現が使われるけれど、そのどれも比較対象がはっきりしているようで実はそうではないことに気づくだろうか。

選ばれし勝者

スポーツは素晴らしい感動を与えてくれるね。オリンピックで金メダルなんて世界の頂点としてあらゆるライバルに勝った証とされている。だからこそ、人々は唯一の勝者を尊敬するし、その戦いぶりに心を揺さぶられるんだね。その選手のこれまでの苦労のストーリーに想いを馳せて、世界一にまでたどり着くにはどれほどの苦労があっただろうと思ってみている。勝ち負けの背後には一人の勝者とたくさんの敗者で成り立っているね。敗者が多ければ多いほど勝者の価値が高いと思っているけれど、それは本当なのだろうか。

終わらぬ戦い

いまだに世界情勢なんて、相手がどう出るか伺いつつ、どれだけ自国が有利になるか、すなわち勝ち組になれるかを虎視眈々と狙っているね。駆け引きが上手で経済や資源や現代で必要な流れをどれだけ自国に呼び込めるかどうか、そんなことばかりやっている。世界で唯一の統一国家となれるかどうかのせめぎ合いだとしたら、もしそれがどこかで実現したあとは、次に何に打ち勝つんだろう。たぶん反政府集団に虎視眈々と狙われるんだろうね。一番はつねに大量の敗者で成り立っているわけだから、一瞬たりとも気が抜けない。それは歴史が物語っている。はてさて、勝負で勝ち取る、天下統一、金メダル、ナンバーワンはそれ自体が目標なのかね。それはなんのためになんだろうね。勝者となれば常に狙われて戦いは永遠に続くみたいね。