深呼吸
言っていること
母親は子供の言っていることだけを鵜呑みにして会話したりはしない。あれこれいろんな言葉を子供は発するけれど、その言葉だけで何かを感じ取ったり判断することはまずない。コミュニケーションにおいて言葉以上に何をみているのか。それは仕草や態度や声の抑揚などの言葉ではない部分だね。おそらく言っている言葉そのものの意味よりも、その言葉を発している様子の方が重要なんだよ。このことにまず気づくことが大切だね。美辞麗句をいくら並べて褒め称えても、本心ではお世辞で言っているなんてすぐにわかるのもその能力のせいだよ。なんとなくというか、言っていることは正しいみたいだけれどいまいち信頼できないな、なんて察知できるのはそういう力があるからだね。
やっていること
だから本当にいい人を見分けるには言葉よりも行動に注目すればいいと言われているね。不言実行ではないけれど、行動で嘘をつきにくい。まして失敗ゼロですべてを完璧にこなせるわけもない。失敗した時に本当の気持ちがそこに現れるのは、言葉のように事前に準備できないからだね。ぶっつけ本番が行動だとすると、そういう意味でも先の母親が子供の嘘をすぐに見破れる力っていうところにつながるね。心にもないことを言っているときの体の少しの変化は、かなり訓練しないと制御不能だからね。そして誰しも本能的にそれに注目することを自然に行なっているんだよ。
息遣い
一番簡単なのは相手の息遣い、呼吸を見ればすぐにわかるね。息が荒いと何か心にとても大きな変化があるときだし、ゆっくりとして落ち着いた様子だと言動が一致しているときが多いね。そして普段は全く意識することもなく息を吸ったりはいたりしている。いわば誰もが呼吸の達人なわけだね。今呼吸という言葉で思い出したけれど、もちろんそんなことをやろうと頭で考えなくてもできている。そして心臓の鼓動と違って意識に登ればあなたは自由にそれをコントロールすることもできるね。ま、それでも限界はあるんだけれど、命に関わるところで止めたりできるのはおそらく呼吸ぐらいなものじゃないかな。呼吸を合わせることを息を合わせると言うね。あうんの呼吸とかは意思が一体化すること。そして本来呼吸は宇宙と一体化している活動でもあるね。空気を吸うということは宇宙を吸っている。宇宙と一体となった生命の息吹そのもの。だからすべて見通す力を秘めているんだよ。さぁ、深呼吸しましょう。すぅー、はぁー。ほら落ち着いたね。