いるいない
表と裏
それは素晴らしいと思った瞬間に、素晴らしくないふつうのコトが同時発生しているね。それはつまらないと思った瞬間に、楽しいことも同時に生まれている。存在という言葉を使うときは、消滅することがそこにある。要するにあらゆる言葉は、対になってしか意味をなさない。逆に必ず対義語があるからこそ伝えたいことを明確にしてくれるね。出会った瞬間に別れがセットにそこにあるし、こんにちは、と挨拶したらさようならがずっとそばで待機している。このしくみからは逃れられない仕様となっているわけだね。
良し悪し
良いことがあれば悪いことが必ず起こるのもそのせいだね。1番を競えば必ず最下位が存在しなければ成立しない。早く良くなれと思う裏には今は悪いと信じている。すべては連続していて両極に振れている波として表すこともできるね。花は咲いて散るけれど、そこで終わりじゃなくてまた咲くというサイクルを繰り返しているとすれば、咲くとか散るとかは特定の位相を表しているだけで、散るのは咲くまえとも言えるし咲くのは散るまえとも言えるね。おそらくは言葉はスナップショットのように連続する波動の瞬間を切り取っているだけで、それは写真のようなものに過ぎない。その写真を見て何かを表そうとしているけれど、その表している瞬間も刻々と過ぎていき、すべては過去としてすぐに古ぼけてしまう。
連続
そう、すべては連綿と動き続けている中に、一瞬浮かび上がっているのがあなた。あなたは写像でしかない。高速に連続して浮かび上がるなにかの中で、生きているということを常に確かめようとしている。その確証を得るために様々な試みをしていつも確認しているのが人生と呼ばれるもの。ただそれだけなんだよ。連続しているなにかに浮かび上がるあなたはほんの一瞬にそれを感じている。感じたり感じなかったり、いたりいなかったりの連続の中にね。もう存在するとかしないとかを超えた世界だね。一時も止まらなくずっと流れるなにかだけがそこにある。