100パー
見える化
状況を把握するためには、まずはどうなっているのかを知るためになんらかの印をつけてみることが多いね。経営だとKPIと呼ばれ、ぼんやりしたトレンドの変化をよりわかりやすくするために割り算をした数値を用いることがほとんどかな。割り算した数値というのがとても便利で、割合を数値化することで細かく分析することができる。KPIにしても数値にしてもわかりやすいが故に落とし穴がある。よく言われることでもあるが、数字は単なる記号であってその内容を表しているわけではないね。割り算した数値は小数点まで出せるんだけれど、その細部まで拘ったりする意味はないことが多いね。あくまでこれは「大雑把に」見える化であって、端数まで重要な意味が表現されているわけではない。数値はそれ自体言語の一つであり、したがって実際の現象の抽象化でもあることを忘れないようにしないと、見える化が命取りになるときもあるね。
スカラーとベクトル
物理では一つ二つと数えられるものとそうでない量を区別するね。お金は1円2円と数えられるけれど、例えば1円は1グラムと重さの単位と合わせることはできないね。10円は10グラムにはならず、1000円以上は物質的に異なってしまう。けれど、金塊だと質量で金額は比例的に増減する。物理の勉強のようになってしまうからここではあまり突っ込まないでおこう。要するに数字という記号を単に大きい、小さいはとてもわかりやすい感じがするけれど、その意味と内容はそこから読み取らないと実は大きな誤解を生じる恐れがあるってことを気をつけないとね。日常で何気なく扱っている数字にも、大きさや量を表しているものが多いけれど、割り算をしたあとの数字は単純に足したり引いたりできないということに注意だね。物理では次元が違う数字という説明になるのかな。
すべてか無か
割合は文字通り割り算した値のことだね。わかりやすいのでとても身近に見られる。どれぐらいの割合で進んでいるかを表すのに、電車や飛行機では時速を使うことが多いね。時速100kmとなれば結構速いと感じている。仕事のタスクの進捗度なんかはそのままパーセントで表すことが多いかな。進捗度80パーセントなので来週には完了します、なんて報告しているかもしれないね。でも実際にはその80パーセントは何を表しているのか曖昧なままのことが多いから注意しないとね。生産性とか従業員数と利益を割り算したりとかして従業員あたりの利益とか数値化できるけれど、本当の意味を見失うとおかしなことになる。満足度は80パーセントとか、願いが叶う確率は80パーセントとか、幸せ度80パーセントとか、そうやって使う数字に実態はないね。どんなに数字を駆使して表現しようとも、普遍の真理は、あなたはすでに完全なる100パーセントの存在であるということだよ。