悪魔は友達
嫌い
実は嫌いな人がいる。正確にはちょっと苦手というか波長が合わないと言った方がいいかな。学校ではみんな仲良くとか教えられて育っているわけだから、嫌いという感情を抱くあなた自身を嫌いになりそうだね。でも大丈夫。嫌いや苦手はそこにあって当然のことだから、あまりそこにフォーカスせず放っておくのが一番だね。それをなんとかしようと考えた瞬間に、あなたという存在が確固たる分離を生み出しさらにひどくなるね。嫌うあなたを鮮明にしないと解決できないからそうなるんだけれど、なんだか矛盾しているような気がするだろう。なんとかしないでおく、ということも実は簡単なようでできる人は少ないね。それは、問題は解決されるために存在して、そして解決できたら良い子というプログラミングをどこかでされてしまっているからだね。そこに問題があるのに、見て見ぬ振りをするなんてとてもじゃないけれどできなくなっている。
あなたとは違う
そういう苦手な存在や考えを異にする事象が身近にあると、それだけであなたに強く拒否感を生み出してしまう。その出発点はあなたという自我だね。嫌いという感情がより強固にあなたという存在を浮かび上がらせる。その境界が明確になればなるほど相違点も明確になるから、あなたがそう思う理由がどんどん正当化されてしまうね。そうして少しの違和感が大きく増幅してしまうと、もう居ても経っても居られなくなる怒りが生まれてしまう。一番の対策は、その場から立ち去ることだね。そう、物理的に同じ空間にいることをやめて、目に見える距離から遠ざけることが大切。そうすることで、際立ってしまったあなたというモンスターを元のぼんやりした曖昧なあなたに戻すことで、それを放っておける状態に近づけるわけだね。
鬼退治
それもこれも手を打ったとしても、どうしても離れることもできないのなら逆にいい方法がある。それは、遠ざけているその嫌いな存在にあなたから近づくことだね。これもあえて近づくことであなたとの境界線を曖昧にすることがその狙いとなる。どんどん近づいて嫌いな人とあなたは同じなにかではないかと感じられたらそこで解決する。そんな嫌いで苦手な人に近づくなんて、と拒絶するあなたはどうしてそう思うのか。それは、嫌いで苦手な人とあなたの確固たる違いを生み出す境界線を保つためだね。あまりに近寄ってしまうと、そこが曖昧になってしまう。曖昧になって一番困るのは誰か。あなたでも苦手な人でもなく、あなたに巣食う何か、だね。これを悪魔といったり鬼といったりして古代から人は恐れてきたわけだね。そしてこの悪魔はどこか外の世界にいるわけではなくて、いつもあなたの心の中にいることになる。悪魔とあなたは知己だったというわけだね。