ひとりぼっち

日々

いつも誰かいる

よくよく考えて見ると、今まで本当にひとりぼっちだったことがないような気がする。いや、孤高の人のつもりでずっといたし、物理的に家に帰れば誰もおかえりと言ってくれる人はいない。それでとても寂しい思いをしたのかというと、ちょっと寂しいかなと感じるぐらいで本当に寂しくてたまらないということもなかった。それで少し不思議に思って振り返ってみたら、ひとりぼっちであったことがなかったことに気がついたんだ。いやいや、あなたは今でも一人でご飯を食べているじゃない、と思うけれど食べながら今日一日を思い出して欲しいんだ。

仲間入り

今食べているお酒のアテにと買った惣菜は、まさに帰り道にいつも寄るコンビニで買ったものだね。だいたい同じ時間に立ち寄るので店員さんとも顔見知りになっている。正確に言えば顔見知りというよりもいつもの店員さんという存在で、いつも何か違うものを買おうとしているあなたがいる。それでもあなたは飲み物とそのアテになる食べ物を買う傾向があるのでだいたいは同じようなパターンというか組み合わせで買い物をしているね。店員さんからすればどんな暮らしをしているのかを特に興味を持っているわけではないけれど、あなたは勝手にもはや家族の一員のような感覚になっているね。だって、プライベートの一部を共有している仲間のような存在だと一方的にあなたはそういう感覚でいるからね。

いつもの

たまの贅沢にと家路の途中の居酒屋さんに立ち寄ってお気に入りのメニューを愉しむ時がある。この場合は、もう注文自体が定番化していてほとんど同じだね。おもわずいつもの、と言いかけるけれど店員さんからしたらいつものってなんだよ?と思われて、えっ?と聞き返されるのが怖くてきちんと注文するね。ちょっとビクビクしながら丁寧に注文したあと、最近暑いですねぇ、なんて店員さんから世間話を振られるともうあなたにとっては家族の一員だね。それでどんどん仲良くなっていく感覚になるね。もちろんそれはあなたが一方的にそう思っているだけで、店員さんはビジネストークかもしれないんだけれど、それでもその瞬間はまったく孤独なんて感じないね。何気なく一人で暮らしている日常なんだけれど、よくよく振り返るとひとりを感じている時間がそれほどないんだよね。まさに今そんなことを思い出しながら一人夕食を食べているんだけれどね。