止まったら死ぬんや
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人生は旅のようなもの
繰り返される日常から、たまには遠く離れて非日常を楽しむ。その手段として「旅」に出る。バイクにテントを積み込み、その土地で食料を調達し、気が向くままに走り続けて疲れたら泊まる。日程も計画も特にないので縛られることもない。その繰り返し。そうした旅はいつもと違う光景を見せてくれ、いつもと違う体験が刺激的である。
しかし、旅に出て不自由さの中の自由を楽しんで日々を過ごしているうちに、それが日常のルーティンとなってくる時期がやがてくる。せっかくの非日常が日常へと変化していく。それ以上旅を続けていてもわくわくが小さくなってくる。おそらくそのあたりが一旦旅を切り上げる潮時。
旅を終えて日常に戻る。主人のいなかったアパートの日常が非日常に一瞬だけ変わる。わくてかしていた心もひととき休憩。一連の体験を思い出しながら一杯。なぜだか、ほっとするような感じ。
旅を分解すると、そのほとんどは「移動時間」に費やされる。そしてほんの少しの時間で、いつも見慣れない風景を楽しんだり、二度と出会わない人々との会話を楽しんだりする。
しかし、次の場所へまた出発。「さようなら、道中お気をつけて」
旅が教えてくれるのは、行動し続けること。移動なり出会いなりなんなりと行動し続けないと旅ではなくなり、日常にかなり近くなる。
移動し続けるのは並大抵ではない。正確には毎回意思決定を下して判断して実行して検証する繰り返しはかなり疲れる。普段は、いかに思考停止して省力化しているのがわかる。
ツアー旅行がいいなと思うのは移動が自動化されている。楽ちんである。バスに乗っている人たちが、大きな窓から景色を眺めている姿を、僕は外側から見ている。
あれは、僕の日常の姿なのかな。
そう思って、次の場所へバイクを走らせた。