路傍の石
執着
ずっとそれがとても大切で、それがないとアイデンティティが崩壊してしまうと思っていて、失うととんでもないことになってしまうと、後生大事にしていること。それを執着というね。とても大切に思うがあまりその時点で視界はとても狭くなってしまっている。それがないとすべてを失うと恐れているけれど、果たして何を失うのかと問われるととても困ってしまうね。たいていそういうときは答えにならない答えを返してごまかしているだけか、怒りを表現して相手を寄せ付けないことが多い。店主のこだわりとか人生のこだわり、マイルールなんかはもてはやされる傾向にあるけれど、日々生まれ変わっているあなたにはなんのことだかさっぱり理解できないね。そんなのにとらわれるためにこの世に生まれてきたんじゃないと知っているからだろうね。
成功も失敗
名誉とか栄誉とか地位とか財産とか全く無頓着で気にしないでいようとしている。その時点であなたはもう罠にかかっているね。本当に無頓着であればそれらが何であるかさえを知らないはずだからね。ヒト以外の動物の世界にそれがあるようには見受けられないけれど、もしかしたらそれなりに悩んでいるのかもしれないね。地位はいらないと思うのも地位にとらわれてしまっているということ。だったらどうしたらいいのか、とあなたは思うだろう。もはや逃れられない仕組みの一部になっているのでどうしようもない。そう言ってしまうと身も蓋もないので、原理的には視点を変えて見ているあなたを想像するということに尽きるかな。要するに常識を疑って社会をひっくり返して見てみることだね。もちろん実際にひっくり返すことなんてできない。だからあなたがひっくり返った視点を想像するしかないね。
自己肯定
たかが自分、されど自分と言われるけれど、どうも自信が持てずそれ故に自己否定をずっと続けているフリをしている人がいるらしいね。自分なんてと思うのは、そんなことないって、という励ましがセットになっている。そうでないと一人芝居にしては滑稽すぎるからね。ところが、最近では本気でそう思っている人が増えているとか。そんなことよりももっと大切なことに気づけるように先の視点を変えて社会をひっくり返して見よう。そもそもそれほど執着しているあなたはそこにいない。あなたらしき人はそこにいる。そもそもあなたはあなたなのか。なんて想像してごらんよ。それを笑いながらできるようになればほんの少しだけあなたはあなたに執着することをやめることができるからね。