もっぱら私は専門家
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先程から何度も申し上げますが、私は「恋愛」についての「専門家」であって、それ以外のことは私に聞かないでください。そこのところご理解よろしく。

私は「恋愛症候群」の専門家です。恋愛にまつわる様々な症状に関しては、そんじょそこらの人より詳しいと自負しております。ただし、それ以外のことは門外漢です。
実際の世の中はご存知の通り、とても複雑です。私の専門だけで動いているわけではありません。それ以外のことは私はわかりません。その分野の専門家に聞いてみてください。
従来よく知られている恋愛症候群に関してはたくさん研究して参りましたが、今回の「新型」恋愛症候群に関してはまだよくわかっておりません。
ということは、「新型」に関しては専門家は、いまのところ世の中には誰一人いないということになります。
従いまして、これまでの従来のデータから「新型」のものはナンなのかを「類推」する分析となりますことをご了承ください。「類推」とは「たぶんこうじゃないかな」ってことなので、刻々と報告されるエビデンスから導き出されるものとなっており、どんどん意見が「コロコロ」変わる可能性がありますが、私は専門家なのでそれを訂正したり謝ったりできるだけしたくないです。だって専門家としてのプライドが許しません。
だれも知らないことを知っている体でそれっぽく語るというコミュニケーション能力も現代の専門家には求められる時代ですから。
ただし、そんじょそこらの専門家以外の人の意見は聞くに値しません。そりゃ新型とはいえ、私どものような専門家にお任せなさい。だって専門家ですよ。生涯をそれに費やした専門家ですよ。専門家に専門のことを聞けば間違いないのです。専門家の言った通りにしよう。それ以外は専門家じゃないから聞かないでね。専門家バンザイ。私はそういう立場の人間でございます。
とにかく「新型」恋愛症候群はぶっちゃけると、よくわからないです。急に発症して命の危険まで脅かす事例が海外でもいくつか報告されています。最大限の防御のための対処法を、あたくし「専門家」としてみなさまにアドバイスできる「最良」の方策を今からお伝えしますので、注意深く聞いてください。
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一人でも「新型」恋愛症候群に罹らないようにするのです。その罹患する機会をなくしてしまうのが最良の方策です。人との接触をとにかくごっそり削減しましょう。蜜を避けましょう。一人で過ごしましょう。近づかないで。距離を十分にとって、触れないようにしましょう。マスクで顔を隠しましょう。会話はリモートでお願いします。
とにかくバラバラになれば大丈夫なのです。バラバラになって生きていく。心は一つでもバーチャルでお願いします。これからはバーチャル恋愛症候群が新たに発生する可能性も考えられますが現段階の対策は取り急ぎ以上です。
そうすると今後人類としてはどうなるかってご質問ですか?すいません。それは専門外なもので、人類生物総合社会心理経済世界貿易専門家に聞いてみてください。どうぞよろしくおねがいします。