あなたも自然の一部

日々

概念

あなたという概念の中で、あなたは人生をそこに浮かべている。それがすべてだと思っているね。あなたがあなたという概念にふけっている傍らでさっきまで鳴いていたセミがまたひとつ木から落ちた。気がつけばあなたの足元に仰向けになって転がっている。これは自然なことだね。幸せとか不幸とか、豊かだとか貧乏だとか、損だとか得だとか、偉いとか偉くないとか、そんな概念に振り回されて生きている間にでも自然はどんどん移ろいでいく。あなたの足元には大地が見える。地面があなたを支えている。概念はどこにも地面がない。概念はあなたの頭の中で浮かんでいるだけだね。

自然

生きることに忙しすぎて、やがてあなたもセミのように変化することを忘れているね。いつも計算していて、どううまく損しないようにやり過ごすかを考えている。うっかりすると幸せは概念の中だけにあって、計算が合うことが至極の幸せだと思い違いをしてしまっているかもしれない。でも、自然をじっと見つめてみると、あなたの横で小さな花が風に揺れている。それを見つけたあなたはほんの一瞬我を忘れる。それは、あなたというずっと計算し続けている概念が一瞬停止したということ。そこにあなたという自然の一部の原点を突きつけられたからだね。

平均値

あなたは人と比べて上か下かをずっと計算し続けている。あなたの計算結果とは違う計算間違いをしている人をあなたは知らずしらずに見下している。計算が正確な人ほど優秀だと思っているからだね。自然の一部でしかないあなたが大自然まで計算しようとしている。でも森の中で葉っぱを集めてみたらわかるね。あなたの計算ではすべて単なる葉っぱ。経済的価値もなければ栄養学的にも役に立たない。漢方の視点で何か効能があるかもしれないが他にもっと優れたものがある。あなたの計算結果では、その葉っぱには一ミリの価値もない。そうしてあなたは、またあなたを支えている礎をきちんと見られなくなる。一枚たりとも全く同じ葉っぱは存在しないのに、あなたは計算結果でそれが全くわからないというエラーを起こしているね。だから計算しすぎると自然の一部でしかないあなたはどんどん幻想世界で苦しむことなるよ。