真実は一つではない
犯人探し
原因と結果という因果関係によって論理的に物事が起きていると考えているあなたは、何か問題が起こると原因を突き止めて再発防止策を講じることが重要だと考えている。そこで犯人探しが始まるわけだけれど、原因をやっつければより良くなると信じているだけでそこに真実が必ず存在するわけではないね。風邪をひくからマスクをすれば防ぐことができると信じている。それは鼻と口を布で覆っているだけなのに、なぜかマスクをすれば万全だとさえ思いこんでいる。そこに真実があるのかといえば怪しくなって、でも実際あなたはそれで今の所大丈夫だからやっぱりそうだと信じている。
神話作家
そうやってあなたはあなたの真実がどんどん増えていく。真実か科学的根拠かそんなものはどうでもよくて、それよりもあなたが体験したことが真実となってどんどん思い込んでいくことになる。傍から見ているとそれはまるで神話を信じている子どものようなんだけれど、あなたの世界ではそれが正解となるね。原因とか犯人とかはもはやすっかり忘れ去られていて、そんなことはきっかけに過ぎずあなたの世界の真実があなたの手によってより強固な信念に変化していく。そうやって真実はあなたの世界で書き換えられてしまうってわけだね。そもそも真実だというルールを決めているのも実はあなただから当然といえば当然なんだけれどね。
ルーツ
そういう顕在化したあなたの真実は一方でとても狭隘な一部分に過ぎない。マスクをすれば風邪ひかないとか、うがいをすれば大丈夫とか、右足から靴下をはくとか、他人からみたら単なる験担ぎのようなものまであなたの世界を埋め尽くしているね。それ自体をうんぬんするのはナンセンスで、あなたの世界がそんなふうになったルーツの方に気づいた方がいい。どうしてそう思うあなたがそこにいるのかということ。それはあなただけでそうなったわけではないということ。あなたはあなたがコントロールする何かではなくて、大きな意識のエネルギーの中でぽつんと浮かんだ泡のようなものでしかない。あなたがそんなふうになったのはあなたのせいではなく、ましてやあなたはあなたをコントロールできているわけでもなく、ただいろんな関連からそうなって一瞬出現しているわけだね。だから真実はどんどん変えられるってことだね。でもあなたの世界では揺るぎなく存在しているのはそういうわけなんだよ。