お得なあなた

日々

コスパ最高

お値打ち品とか特別価格とか、巷ではいろんな言葉であなたを惑わしているね。今だけなんとこのお値段、みたいなセール用に使い古された文言が飛び交っている。あなたはその様子をずっと見てきたから特に驚きもなく冷静に見ているつもりだね。そんな使い古されたセールストークにうっかり乗っかるようなアマチュアではないとね。でも今日のあなたはちょっと違う。ずっと欲しかったものが目の前で半額以下になっている。こんな価値のあるものがこのお値段って嘘でしょう、と幾分動揺しているね。そんなセールストークなんかに騙されないはずなんだけれど、ひょっとしてこれはもしかして買うしかないのでは?なんて心が揺さぶられている。

欲しいもの

ところであなたは本当に欲しいものはなんだろうか。おしゃれなブランド物のバッグかな。それともダイヤでできたリングかな。それともずっと豊かな生活を守ってくれる一軒家かな。それとも高嶺の花の外車だろうか。それらに共通しているものがあることにもうすでに気がついている。値段が高すぎて今は買えないものばかりだね。ならお金さえあれば解決するのかと考えてみてほしい。何らかの理由で億万長者以上の財産を得ました。そして欲しい物をすべて手にしました。それであなたは死ぬまで幸せに暮らしましたとさ。という昔話のパターンには決してならないことは薄々感じているのではないかな。いつもコスパを気にして世の中のすべてを見ていたあなたがコスパを解消する財産を手にしたのに、どうして幸せに暮らせないと思っているのだろうね。そう、あなたが本当に欲しいものではないのがそれらの正体だと知っているからだね。

シグナルとしての価格

いろんなものには値段がついていて、それらの相場みたいなものが形成されている。だから相場より高ければ損するものだと見て、相場よりも低ければ得するものだと見ている。ものの価値とはそうやって常に比較する中にしかないってことだね。それを無意識に自覚しているからこそ、人に値段をつけたりするととたんに怒りが沸き起こってきたりするね。奴隷制度では普通に売買していた歴史があるけれど、あれには強烈で歪んだイクスキューズがあって、奴隷は家畜と同じだと思いこむことによって成立していたんだね。現代でも鶏肉は世界的にも市場で取引されている国が多いんじゃないかな。他の動物の肉は宗教上とかいろいろあって難しい部分もあるけれど。損害賠償なんてお金の量であなたの人生の価値を測られているんだけれど、そんなことで本当に納得できないことは訴訟のはじめからわかっていること。薄々気がついていたのはそういうこと。もともとすべてに値段を超えた価値がそこにある。目の前についている値札を外してみよう。