バカばっか

日々

ぶれないバカ

変わり続けることが生きることそのものなんだよ。実はそれを忘れてしまった思考という自我があなたを苦しめている。人生の苦悩はたったそれだけのシンプルなものだね。例えばあなたの身体に目を向けてみよう。あなたの身体だと間違いなく思っているところではどんなことが日々起こっているか観察してみたらわかるね。毎日お風呂に入って清潔好きなあなたは、なぜ毎日お風呂に入っているのか。それは毎日皮膚が新陳代謝をして古い角質が垢となってどんどん出てくるからだね。シャンプーという界面活性剤で頭皮の皮脂を一所懸命落としているのも、頭皮から表皮細胞を守るための皮脂が毎日出てくるからだね。あと髪の毛も日々成長して伸びてくるし、爪を切るのを怠ると靴下に穴を開けてしまう。何一つずっと同じものなんてどこにもないね。個別にみればそれこそ生まれ変わりの連続なんだけれど、それを無視した上であなたという自我がかろうじて存在している。

嘲笑するバカ

だから、あなたは失うことを極端に恐れている。あなたはずっとあなたで普遍的存在だと思いこんでいるからね。それほどあなた自身では自己中な性格だとは思っていない。むしろ他人に思いやりをもって優しい方だと自負している。にも関わらずプライドがあなたのすべてを邪魔しているね。プライドっていうのは結局の所自我に過ぎない。誇り高く生きるという自我ならまだそこに美学があったけれど、とにかくバカにされるのが嫌とか、何でも良いから認めてほしいとか、そういう要素だけになってしまっているね。もちろん生存競争の中である程度は必要な本能であって無意識にそのようになっているんだけれども、それを理性がコントロールしていた。けれどその理性でコントロールするのがバカらしくなっていく時代になって、むしろむき出しに生きる方がかっこいいと思う傾向が強くなってきたね。それを今ではワイルドで自然体と思い込んでいる。だから挑戦して失敗するとバカにされるという構図が固定化してしまっているね。これを逆算してバカにされるぐらいなら死んだほうがましと思ってしまったら、挑戦なんてバカがやることだという論理を導いてしまう。

しがみつくバカ

現代社会において自然を観察しなくなった。人類史上最もおかしな時代が日々更新されているね。病気になって重症化して死んでしまうことが生き様よりも重要なことになり、医療は命を助けるために志した人の集団だったものが、一つの職業選択の自由のうちになり、サービス業に成り下がってしまった。命を守るために自らの命を賭して戦うことを生きがいとしてそれを生きる役割として覚悟を持って従事している人はもはや少なくなってしまったのかな。そんな社会に嫌気が指して転職する医師や看護師を世間では落ちこぼれと嘲笑してバカにする。しかしそのバカにしているのは誰なのか。バカにするためには自らもバカにならないとできないことに気がついていない。身近な昆虫は徹底的に殺虫剤で殺戮するけれど、牛や豚はかわいそうだと言いだし、地球の環境を守るためにエネルギーを使うなとSNSで言っている高貴な人は、そのSNSを支えるサーバやネットワーク機器が24時間/365日フル稼働して、さらに二重三重以上の冗長化構成でいざというトラブルに対応するためにスタンバっていて、恐ろしいほどの電力を使っていることを知らない。国連までもがSDGsなんて言い出す。テレビジョンの電波を使ってね。そしてそれは全部誰かの損か得かが絡んでいるね。どうしてこんなバカばっかな世の中になってしまったのか。自然を見て己を学ぼう。なぜならあなたは環境であり自然そのものなんだ。すっかりそのことを忘れてしまっている。だからそんな小さな虫に大騒ぎしているんだよ。