俺だ俺だ
いつも通り
人は恒常性を保つ性質が備わっている。そのせいかどうかはわからないけれど、普段とは違うことをすることにとても警戒するね。あと共感する能力も高い。ミラーニューロンとか呼ばれているのかな。科学分野でいろんな事象をそうやって説明できるようになっているみたいね。そのあたりは学者にまかせておいて、何気ない行為をふと順番を変えてやってみるだけですでにあなたはプチパニックに陥る。それぐらい決まりきった動作に支配されていく傾向にあるということを知っておいた方がいい。新居に引っ越しをした時は、それこそトイレに行ったり、シャワーを浴びたりするだけで使い勝手がこれまでと違うことで大いにストレスに感じるね。ところが、2週間もすれば寝ぼけながらすべての行為ができるようになる。そうなってきたところで、わざとその手順を変えてみたりするとわかるけれど、日常の生活はかなり省力化モードで過ごしていることがわかる。もはやあなたという意識はそれほど必要とされていないね。
虚無
そこにヒントが隠されている。普段のやるべきことをしっかりやるとき、あなたという意識が強ければ強いほどギクシャクしてうまく行かないんだよ。それは重要な示唆を含んでいるね。やりなれたこと、手慣れたこと、まさに寝ていてもしっかりやれるようなことには、あなたがそこにいない。あなたという自我が何もかも支配しようと頑張れば頑張るほど事態はたいてい悪化する。その気づきであなたは膝を打つね。なるほど。そしてうまく行かないと悩んでいたり、うまく行ったと小躍りするのもあなた。朝起きて歯を磨く動作がうまく行ったからといってあなたは決して小躍りしない。その違いは一体なんだろうね。
日常茶飯事
風呂の掃除を無になってしていると、洗い流し終えたあとに必ずあなたなりのチェック項目があるね。それでその出来具合を測っている。ああ、今日はとてもきれいになったとか、あれ、今回はいまいちだなとかね。そして洗剤を変えてみたりブラシを変えてみたり、水をお湯に変えてみたりと試行錯誤するわけだね。思い通りの結果が出たらにんまり満足。いまいちだと次への課題となる。しかしそれは失敗だと大騒ぎするようなことがあるだろうか。ま、そういうときもあるよね、ぐらいに軽く考えているしそのことで一日中あなたの思考を支配することはないだろう。あなたを今悩ませている忌々しいと思っているそのことと、お風呂の掃除がうまくいかないことと、何がどう違うのだろうね。いやいや重大さが全く違うとあなたは反論するね。けれど、そう思っている犯人は誰かを探せばすぐに気づくだろう。ほら「あなた」がそう思って区別している。あなたという自我が何もかも支配しようと頑張れば頑張るほど。。は先と同じことになるのでやめておくね。