Don’t think, feel.
明日はきっといい日
見通しが立つと気持ちも楽になることが多いね。それを明るい未来だとか言ったりする。ネガティブよりポジティブの方が一般的に好ましいとされている。暗い気持ちでずっと過ごすより前向きな気持ちで過ごしたほうがより楽しいからだね。でもそれらよりもっと大切なことがある。それは今楽しんでいるかということだね。今をないがしろにして明るい未来ばかり夢見ているのは悪いことではないけれど、ずっとそうだと今がなくなってしまう。今がなくなっているということはずっと今を生きていないということになる。すると逆説的に言えば今を楽しめないのに未来を楽しめることは永遠にこないという無限ループに陥ってしまう。前向きさも素敵だけれど一番愛おしく大切な今をもっと感じることが最優先だと思うんだけど、どうだろうね。
昨日は忘れる
ずっと過去を引きずって今まさにそのことで後悔ばかりしているのなら、過去を忘れたほうがいいね。過去は単なる記憶に過ぎないし、本当にあなたがやったのかどうかも怪しい。反省は人生において大切なことでそのことによってまた明るい未来があると言うけれど、はてさて本当なのかな。反省しないと同じ過ちを繰り返すと言うけれど、それは反省が重要ではなくて明るい未来を夢見ることが希望の光だとか幻想ばかりを追いかけようとさせていることが原因じゃないかと疑っている。むしろ明日のことを心配して計算することに今をずっと使い続けているなんてまっぴらごめんだと思った方がいい。そんなことより眼の前のお茶をじっくり味わうことの方が結局は明るい未来につながる扉ではないかな。過去も未来も幻想だと見抜けば楽しみも苦しみもまさに今この瞬間に沸き起こっては消えていっている。そういうどこからともなく風が吹いて風向きが刻々と変わるようなものだとわかるね。風向きが変わってあなたはいちいち右往左往しているような状態ではもうそればっかりで人生が埋め尽くされてしまうよ。
なにかを感じる今が無敵
触ればその感触がする。足の裏が地面についている。おしりが椅子にひっついている。お茶の香りを感じる。向こうでテレビの音がする。誰かの話し声が聞こえる。そういう今を感じようと頑張ってみてもほんの一瞬でしかないことにも気づく。実は今なんて一番身近だと思いこんでいるけれど、今を捕まえるのはとても大変だね。そう、今もあるようでない幻想の中。ということはすべてが幻想の世界にあなたは彷徨っていることになる。さらにあなたはあなただと思っているけれどそれもどうやら疑わしいね。幻想しかないこの世界にあなたが確固たる存在としてそこにいるというのをどうやったら説明できるだろうね。いや、そもそも説明しようとすること自体が言葉の世界にとらわれてしまう第一歩なんだろう。だから究極的には言葉にならないね。言葉にならないけれどぼんやりと感じるなにか、が今を生きるってことなんだろう。感じるということを感じるなんてもはや言葉では言い表せない世界が本当の世界なのかもしれない。