リセット
何気ない日常
毎日それほど代わり映えのない日々を送っている。けれどそれも終わってみればほんの一瞬だね。でもその退屈で平凡な日々に絶望しているあなたはそれにも気が付かない。その退屈な日々にうんざりしているというのは終わってから宝物に変わる。渦中にあるあなたにはこの言葉は届かない。それはその言葉がない世界であなたは生きているからだね。とにかく何か変化がないと不安で仕方がない。よくわからないけれどぼやぼやしていたら取り残されて孤独になるのをひどく恐れている。その結果あなたはいつも心と裏腹な行動と思考ばかりしている。好きでもないことを好きだと思ったり、欲しくもないものを欲しいと思ったりしてあなた自身もやや混乱しているね。もしそう感じているのなら属している世界を変える必要がある。もちろんあなたがいる世界は簡単に抜け出せないように仕掛けがしてある。せっかく積み上げた地位や名誉がすべて失われるよといつも脅かされているのがそれだよ。
終焉の準備
積み上げた地位や名誉や財産はあたかもあなたが獲得したものと映っているだろう。それがそっちの世界のやり方だ。世界を変えてみることができるのならそれが幻想だと見破ることができる。そっちの世界は死んだら人生が終わるようなルールなんだから、この世というゲームで積み上げた得点やスキルやライフやレベルは一瞬でクリアされるわけだよね。ということはその積み上げたなにかはゲーム機のメモリ上にあるだけで、電源がオチたら一瞬でゼロになる。それぐらいのものだね。それが消えるからと脅かされているのは、電源がオチたら消える幻だということを隠すための作戦だね。資本主義がいいとか悪いとか議論されているけれども、どんな体制でも上手に生きれば我慢することなく楽しく暮らしていけるはずなのにね。だってあなたが苦しんでいるのは明日食べるものがなくて途方に暮れているわけではなく、平凡で退屈な日々にうんざりしていることなんだから。
リセットされない世界
あなたが思う世界に変わったとき、すべてが贅沢で貴重な体験に変わる。ひどい言葉を言う人はあなたの前からいなくなり、人生は自己責任だと腹いせに吐き捨てるように怒鳴る上司もいない。でもよく見てみると以前と登場人物や環境は同じだね。以前のように退屈で平凡なつまらない生活と見かけ上はあまり変わらない中で、なにかに突き動かされるような焦りや不安などがそこにない。一体これはどういうことだろうと不思議な気持ちになるだろう。そう、ひどい言葉を言っている人はとてもつらそうに自らを呪っているように見えるし、怒鳴る上司はいつも力不足を悩んでいるかわいそうで愛おしい存在になっているね。そして同じようにあなたの周りにはたくさんの人が相変わらずいる。けれどあなたはそれらの人が全く気にならなくなっただけだね。あなたがどう見るか、もっと言えばどう見たいのかでこの世界は出来ているんだよ。だからあなたがまた元のひどい世界が見たいならそうなる。気をつけないといけないのはひどい言葉を言う人が目についてきたらそれは他人事ではなくあなたの写し鏡だということを忘れないようにね。