何もいらない
旅の醍醐味
旅はその事前準備がすべてだったりする。どういうことか。何を見に行くのか、そのための目的地はどこか、そのルートはどうするか、なんかを地図を見ながら想像しているだけで幸せだね。そしてその夜はどんな風に過ごすか、何に挑戦するか、どんな風景が目の前に広がるのかも地図から地形を読み解いて道順なんかも組み立てたりする。まだあなたは微塵にも動いてはいない。けれどその時のワクワクは実は旅の目的のほとんどだったりする。だからすでにあなたはかなりの幸せをすでに手にしているね。あとは実際に行ってみるだけなんだけれど、これはこれで計画通りと言うわけにはいかないことももうすでに経験済みだね。だからとりあえず行ってみることができるように計画することも旅の成功の重要ポイントだね。例えば欲ばってしまって、あまりに長い日程を組んでしまうとそれだけで実現可能性がどんどん低くなってしまうからね。
無計画
なにか想定外の出来事が起こったとき、見知らぬ土地であなたはまた同じように計画を練り直す。地元の食堂とかコンビニの前で知らない人に情報を聞きながらね。これも旅は道連れ世は情け、なんていう旅の醍醐味の一つであったりする。そうすると知らない人も巻き込んでいろんなアドバイスを得られたりする。ときには道を聞いただけなのに、知らない人同士がこっちから行ったほうがいいとか、いや、そっちじゃない、なんてお互いの意見が対立したりしてあなたは実はとっても困惑してたりするね。そんなことも手がかりにしながらも、あなたなりに総合的な判断をしてどちらのアドバイスを採用するかを決めなければならない。うーん、もう少し聞き込みをしてみるか、なんて思いながらウロウロしているとひょんなことからそれとは全く違う方面に決まったりする。面倒なことになったぞと言いながらも、あなたはそんなトラブルもどきを実はとても楽しんでいたりする。
冒険の書
そうやって冒険の書は書き加えられていくのだけれど、その間はとても充実した毎日だね。やっぱり旅は非日常で素晴らしい、なんて思っているかもしれない。けれどあなたはその冒険で何かを財産として手にしているわけでもないね。たくさんのお金がいつもほしいと思っていて、それさえあれば自由に生きられると思ってそれなりに頑張って働いてみたりしているけれど、どうもお金はいつも足りない。とってもほしいものを手に入れるためにいつも安くなるタイミングを探っているんだけれど、お気に入りのそのモノはネットで探しても見つからない。もっと好きなことを自由にして生きていきたいのに現実は一番苦手なことばかりがあなたのやるべきこととして降り掛かってくる。こんなクソみたいな人生早く終わらないかなと思いつつ、何もなく終わるのも寂しすぎると嘆いている。どうも幸せに生きるには途方も無い条件が揃わないと達成しないみたいに感じているね。でも、旅に出ようと準備して地図を眺めているだけでワクワクが止まらない。その時はまだ一歩も踏み出してもないけれどとても幸せだね。そしてそれが実現したとしても思ってたのと違う状況がどんどん発生する。でもそれで絶望するよりもなんとかしようとしているだけで実は楽しんでたりするね。どうやら何かを手にしたり、何かを勝ち取ったり、なにかの目標を達成する先に幸せがあるのではないみたいね。ほら、今でも楽しいことは目の前にいくらでも転がっていたりするみたいよ。