キレイキレイ

日々

わたしきれい

清潔でないといけないといつのまにか私達は信じている。それを歴史的に振り返ってみると19世紀末にアメリカの石鹸会社が石鹸で洗うときれいになって病気にならないと喧伝してからである。日本でシャンプーという頭を洗う専用の洗剤が本格的に使わるようになったのは1960年代だそうでまだ半世紀ぐらいの歴史しかない。それまでは髪を洗うという習慣が多くて1ヶ月に1度程度だったみたい。シャンプーだけでなくリンスやトリートメントが必須となって、リンスインシャンプーとかもあった。今はもうリンスとか言う薬剤は主流ではないのかな。今あなたが常識で疑わないことの歴史を紐解くと意外と歴史が浅かったりする。西欧で香水が重宝されたのも匂いを隠すためのものだと考えると、石鹸を使って身体を洗うという事自体が生物の中でもかなり珍しい行為なんだということがわかるね

不潔は悪

清潔感が重要な時代となったのも人類の歴史から比べるとここ最近のことということになる。1週間ぐらい風呂に入らないと猛烈な体臭でクラクラするだろう。けれどもともと生物としてのあなたはそれが正常だったわけだね。日本に暮らしているとまれに温泉が湧き出ていたりする地域もあるから、原始的な生活をしていたとしても温泉には浸かっていたかもしれない。けれど現代のようにいい匂いがするボディーシャンプーや髪の毛を洗う専用のシャンプー、トリートメントなんかはなかった。今はなおさら「手洗い」が重要視されているから、薬用石鹸などで念入りに洗っているだろう。さらにアルコールで消毒することが完全防備だと信じている。大学病院でもちょっとした切り傷や擦り傷なんかはまずは過酸化水素水で消毒しないと傷がばい菌によって化膿するからとかで今だに行われているところがあるそうだね。あれは傷口がしみて痛いよね。先進的な医院ではそんな常識から脱却してさっと流水で流して乾燥させないような被膜をかぶせておしまいとなっている。その方がきれいに傷は治癒することがすでにわかっているからね。消毒は万能ではないのが事実なんだよ。

抗菌より除菌

さらに洗剤メーカーは除菌という言葉まで使って喧伝するようになった。もはやウィルスや菌を皆殺しにすることが清潔であり、それが健康につながる行為なので重要だということだね。やがて無菌室のホテルとかが出来てそこに泊まらないような人は不潔だから近寄らない方がいいとか言われるのだろうか。外出先で食べ物を口にするような野蛮な人たちと、そんなホコリまみれでばい菌まみれのところで食事をするなんてもはや人ではない、とか言われる時代がすぐそこまで来ているような気がするね。すべては石鹸会社の金儲けのための「宣伝」でしかなかったことなのに。「あなたよして触らないで垢がつくでしょう」の時代はまだ牧歌的だったというわけだね。