甘い世の中

日々

思い

それはうまくいくと思えばそうなるし、いやそう言っても難しいだろうと思えばそうなる。不可能だと思えば不可能な理由は瞬時に大量に見出すことができるし、可能だと思えば同じようにその方法をいくつか説明することができる。実はこの世の全てはあなたの思い一つで成り立っていて、それ以外の実態はなかったりする。だからいつまで経っても空を飛べないけれど、空を飛ぶ乗り物は生み出したりしている。瞬間テレポートはできないけれど、リモートワークができるシステムがあったりする。そうやってまた一つこうなりたい、こうありたいという思いを実現して今があるね。

厳しい現実

そうやって人類全体の夢を叶えてきたテクノロジーに対して、あなたの個人的な思いはどうか。これはほとんど絶望的な状態だね。今日一日はいい日でありますように、と思っていても朝っぱらからトラブルに見舞われたり、せめて毎日見ている星占いだけは良いことが書いてありますようにと思ってみても、ひどいことが書いてあったり、目当てのものを買おうとお店に行ったら、たまたま売り切れてたとかの繰り返しだね。何一つあなたの思い通りにならないことばかり。これはどういうことか。そう思ったあなたに追い打ちをかけるように周りの大人はあなたに呪いの言葉をかける。世の中そんなに甘くない、とね。泣いても叫んでも確かに何一つ思い通りになんてならないことを静かに受け入れていくことで、あなたはあなたの夢を忘れていくわけだ。

許せない

そう諦めたとき、ふと友人を見ると楽しそうに笑っている。その理由を聞けば長年の思いが叶って希望通りの環境が整ったとのこと。その瞬間あなたはそんな友人を「許せない」ね。いやいや、心から祝福の気持ちで一杯になって自らも幸せに満たされてうれしい、とあなたは言う。それは真っ赤なウソだね。なぜなら友人のことを微塵にも羨ましいと思わないということは、あなたはあなたではなく友人だということ。友人とあなたを切り分けている仕切りは、友人は念願叶った幸せを得ている一方で、「世の中そんなに甘くない」という不足の世界そのものがあなたになっている。だからこそ「満たされた」側を見つめられるのであって、思いが叶わないあなたは「いつも足りない」側があってのこそだからね。それがなければ「何一つ変化のない」フラットな状態となってしまう。全体を見ればプラスマイナスゼロ。何も得ていないし失ってもいないということ。日々変化しているのは実はあなたの「思い」だけということだね。