ちょうどいいかげん
ちょうどいい
夢や希望を持つには今は叶ってないこと、なりたい自分を想像するにはいけてない自分がここにいなければならない。絶望の淵に立つには一歩も踏み出せないと思い込まないとダメ、悪魔になって世界を呪うためにもそれなりの承認欲求が満たされないと虚しい。天使になろうとも悪魔になろうともちょうどいい過不足の欲求がちょうどいいところでバランスをしないとそもそも無理って話だね。これがあなたを作っているシンプルなルールだということを心の片隅に置いておこう。夢があります、希望がありますという人はあなたから見たらキラキラ輝いて見えるのは、あなたが夢や希望を持てないで悩んでいるからだと思っている。でもその仕組みを解き明かすと、夢や希望をたくさん持っている人の中の世界は不足だらけでまったくもってイケてないからそう思えるんだよね。でないと夢や希望を持てるはずがない。夢や希望もなくダラダラ過ごしているあなたは勝手に劣等感を植え付けられているけれども、現状にそれほど大きな不満もなく、むしろこのままが快適に感じているね。それを悪いことだと押し付けているのはあなた以外のなにかだということに気づいてほしい。あなたのせいでもないしあなたがあなたを責めることもない。
向上心
精神的に向上心のないやつはバカだ、という有名なセリフは夏目漱石の「こころ」の一節だね。このセリフが何を引き起こしたかは読んだ人はみな知っているだろうけれど、これほど現代を風刺したセリフはないと感じている。向上心による自らの成長、昨日より今日、今日より明日と一歩ずつ改善することが生きる価値そのものだというプロパガンダは、人々をすっかりロボット化するのにかなり貢献したね。その成長が皮肉なことにSDGsとかいう新しいまやかしをもって今度は制御しようとしている。向上することが幸せになれると幻想をもたせて人々を環境破壊するぐらい奮い立たせたあげく、いやいやそれはやりすぎだからちょっと環境のことも考えてねと言う当人が、さんざん破壊した張本人だとしたら笑うに笑えない、冗談にもほどがあるってことだよね。これは今は辛いけれど頑張った向こう側には幸せが待っている、という支配者の洗脳がうまく行っただけのことだと正体がバレた。だから目先を変えて今度は環境をなんとか守ろうとする方向でまた洗脳し直しているのが現状だね。そしてそれは子どもを巻き込んでうまくいきそうな感じでいいかんじに仕上がってきている。
18歳の夢
生まれて20年ぐらいを対象に夢や希望やなりたい自分なんて押し付ける社会が未だにある。一方で少しでも年寄りが何かを指示命令したり強要したりするとすぐにハラスメントで裁かれてしまうね。だから誰もが息を潜めて嵐が去るのを待っているような時代だ。老害と呼ばれ続けても会社という組織にしがみついているのは、仕事はしたくないけれど給料と身分だけは確保しようともがいている。もうその船は沈没しようとしていることは見ないふりをしてね。それもこれも何一つ自ら工夫をして生き抜いていける力を失わせた結果だね。最近は田舎暮らしやアウトドアが流行っているけれど、それは自然への原点回帰なんだろうか。もちろん田舎暮らしは自然ではなくてあれは人工物だね。この国の田園風景が自然がいっぱいなんて喧伝しているけれど、あれは人の手が入ってこその形であって、それで過疎化して人が住まなくなったらいろんな弊害が出ている。過疎化した田舎はスラム街となった都会と同じなんだけれどね。なにはともあれ、成長信仰がもはや地に落ちた現代では新しい信仰が求められている。求めるでも、求めないでもその両極端に走りがちだから、あえてあなたに「ちょうどいいかげん」信仰をオススメしておくよ。それを探し求めることを教義にしよう。