あなたを通り過ぎるもの

日々

おかげさま

あなたがいてくれたおかげでわたしは楽しく過ごすことができたよ、ありがとう、なんていう言葉を素直に言うことが今まであったかな。それはあなたが与え、そして与えられて全体として生きていた証だね。途中でなんであなただけがそんなつらい思いをしなければならないんだとか、ちょっと相手を疑ってしまってギブアンドテイクの関係になっているのか、それともあなたのほうが貢いでしてまって不公平なのかを考えてしまったり、むしろその逆でいつもお世話になりっぱなしでいつかきちんと返さないといけないなんて思っていたかもしれない。いずれにせよどんな関係でもいつかは終わるわけで、そのときに素直に先の言葉がなんの淀みもなく浮かんだらそれが一番自然だったということだね。

お互いさま

そうやって色んな人に奉仕してきた優しいあなたは、いつもいろんなことをこれまでも言われ続けてきたね。優しすぎるとかもっとずるくならないとなめられて利用されるだけになるとか、実際に何度も裏切られた気分を味わっただろう。でも結局それらが起こる時というのはあとになって振り返ってみてわかるんだけれど、あなたが強く前に主張した時だけに起こるね。あなたが一番愛されるべき存在だと思ったり、あなたが一番可愛がられるべき人物だと思ったり、あなたが一番苦労していると思い込んだりしたときだね。なぜそう思ったかを振り返るとあなたの思い通りな反応がなかったときだね。シンプルに思い通りにしたいと思っていたときにそうならなかったからへそを曲げて怒っているということ。駄々っ子になって構ってちゃんになったときだけ、そうなるんだよね。

自然体

あなたもあなたの好きな人もあなたの大切なペットもみんな生きている。生きているなんて大げさに言うけれど、食べて寝てうんこしている。そして食べるために今はお金が必要だからお金がもらえる仕事をしている。寝てうんこするためにはお家が必要だからその場所を借りたり買ったりしているね。どれもこれも生きるための仕事だね。とりあえず豪華だとか広いとか美味しいものとかなくても、食べて寝てうんこできればOKだ。そこからすべてが始まるわけだし、それ以外は何もいらない。それらの活動が自然に生きるということだね。自然とは何もジャングルの中で怯えて眠ることだけではない。食べて寝てうんこする先に仕事がある。仕事はそれらを実現するための一部だね。だからといって仕事ばかりに軸足を置くとバランスが悪くなるのは、食べて寝てうんこするための仕事で十分だからだ。だからちょうどよく働けばそれでいいんだよ。大金持ちになるために仕事を探したり、とにかく仕事を中心に考えてしまう人はだから不自然になってしまうのよ。入ってきたものはあなたを貫いて同じ量だけ出ていくのが自然体というわけだね。食べることも仕事することもその流れを絶やさないためにしていることなんだからね。