鳴り響く警告音

日々

警告音

間違えたりするとブブーと音がなる。その音でそれは間違いだと気づくね。最近の冷蔵庫は扉がきちんとしまっていないとピッピと鳴ってきちんと閉まってませんよと教えてくれる。とにかくエラーや間違いが起こってもそれに気が付きにくいことに関してはそうやって単に音を鳴らしてくれるだけで、ああ、そうだったと気づくことができてとても便利だね。その昔オフィスに大型の冷蔵庫があって、それがそういうエラーを検知したときにとても大きな音で鳴り響くので初めはなんの音か全くわからなかった。けれど同じ型の冷蔵庫を使っている人がすぐに冷蔵庫の扉を閉め直したら鳴り止んだということがあってね。メーカーによってもエラーの場合の音の鳴らし方が違っていて、扉がきちんとしまるまで鳴り止まないタイプだと誰かがそこまでいってきちんと閉めるまでずっと鳴り響くものだから便利なんだか不便なんだかと思ったこともある。けれどやっぱりきちんと閉まっている方がエコだし、気温が高い日だと腐ったりするからそうなるのかな。我が家のタイプはピピッと最初の10秒ぐらいはなるけれど、それ以上はあきらめて鳴らなくなるタイプだから、最初に聞き逃すとうっすら開いているときがたまにある。けれどそれぐらいがちょうどいいと感じるのはなぜだろうね。

エラー検出

そもそも正しいとか間違っているとかに目くじら立てるようになったのは近代以降だね。それまではだましだまし使うことができた機械式が主流だった。完全電気じかけになって四六時中コンセントに繋がれていないと使えないような家電がほとんどを占めるようになった。先の冷蔵庫の扉が半ドアの警告音なんかがまさにそれで、冷蔵庫は開けたら必ずきちんと閉めるという使い方以外を許容しない。開けたら開けっ放しなんてもってのほかだね。かつて昭和の時代ではエアコンで涼しい部屋はきちんと窓やドアを隙間なく閉めることが必須だった。その方が電気代も節約できるしせっかくの冷気が外に逃げるなんて許されないことだった。ところが今ではエアコンはオートになって設定温度を保つように最適化した制御ができるようになった。だからつけたり消したりするよりもつけっぱなしのほうがエコなのかどうか、などの検証をしていたりする。どれも結果を見れば短時間でオンオフするのはよくないけれども、だからといってずっとつけている方がトータルの仕事量は多くなるのでやっぱり今まで通りケチケチで問題ないようだね。

間違い探し

そういう時代において人間はそれらの機械の真似をするようになった。少しのミスや間違いを許せないような思考になったり、ルール至上主義になって他人を攻撃したり、よかれと思った正義感によって制裁もやむなしと思慮が狭くなったりしている。正しさが絶対的な真理だと勘違いして、それ以外はすべて邪悪なものとして見下す癖がついてしまった。迷ったときは皆がどうしているかを数人ぐらいサンプリングしてそれが真実だと決めつけてしまう。もちろんそういう人に限って数字を用いたりするのはちょっと苦手だったりするね。統計情報を分析して世の中の趨勢を調査するなんてことをどうしたらできるかすらわからない。だからとにかく友達3人ぐらいに聞けばそれで十分だと思っている。そういう自分の頭で考えようという人がどんどん減って、ロボットのように言われたルール通りに行動する。ちょっと疑問があっても皆がそうしている中で自分だけ違う行動を取るのはそれこそ「間違い」だと思っている。「間違い」を極端に恐れてるがあまり人生に正解を探し求めている。そうしてそれは不幸のもとになって、その鬱憤を他人の悪口で解消している。そんな悪循環から脱出したいね。