らしくない
あなたの正体
あなたはあなたのことをずっと考えて生きているつもりでいる。ならあなたは一体何者なのかと問われると結構困ってしまう。自分のことは自分が一番良く知っているはずと思い込んでいるけれど、それならどうして他人にすらすらと自分のことを紹介できない人が多いのだろうね。自己紹介とか自分の長所・短所を述べなさいと言われた瞬間に頭が真っ白になる。おそらくはうまくそれらを説明できている人は、随分前に用意して練習したテンプレートをなぞっているぐらいの差でしかない。それに10年前の自分と今の自分と全く同じかと言われると、正直なところどんどん変化している。だから自分の特徴などを紹介するにも本当はアップデートしなければならないけれど、実はそれほど内容は重要ではないので受けがよければそれで良しとなっているはずだね。
性格
あなたはこういう性格だと自己認識しているところもある。けれど他人にそうではなくてこうだといわれてしまうと少し動揺してしまうね。そうやって実は自らが認知して考えてまとめ上げたものではなくて、なんとなく誰かに言われた事をぼんやりとそうかもしれないとか、占い師に言われたあなたはこういう特徴を持つ人です、なんて言われるとそうかもしれないと信じ込んでしまったあなたが、今のあなただと思っている。だからあなたが思っているあなたは実はあなたではなくて、これまでの印象的な体験や言われたことでできていると言っても過言ではないね。そう、あなたが自ら決めた特徴なんて何一つそこにはなくて、なんとなくそういう人だと言われたことを都合よく適当につなぎ合わせた集大成なんだよ。ちょっとショックかもしれないね。
あなたを更新する
だから、いっそのことあなただと思ってきたあなたをやめてみるのが一番わかりやすいかもしれないね。もちろんこれまでも反発してもがいて苦しんであなたはこういう性格という一方的な偏見から逃れるために戦ってきたね。そうした結果において今があるんだから、やっぱりそうなんだと認めざるを得ないと思っている。しかし、それは人は変わらないという前提にある。もちろん人は簡単には変わらないかもしれないけれど、少なくとも10年前のあなたと同じところはなにもない。現代医学的に言ってもあなたを作っているすべての細胞は7年ほどで入れ替わるらしい。ということはもとのあなたはもうこの世にはいないとも言えるね。すべてのパーツが入れ替わっているんだからあなたのコピーなのは間違いないとしても細胞はすべて新品と交換されたいわばレストアされたあなただ。いつまでもなんとなくあなたはあなたらしさに囚われているけれど、10年おきぐらいに再チェックした方がいいかもしれない。