生まれたてのあなた
ゼロ
とっても当たり前になっていて誰も信じられない話をしよう。あなたは全くゼロから生まれて今こうして生きている。もちろんあなたの世界も全くのゼロからあなたが生まれたのと同時につくられた。もちろん誰にもその瞬間の記憶はない。生物学的には親が子孫を残したということで理解をしているつもりだけれど、別にあなたでなくても良かったはずなのに全くの偶然であなたがこの世界に出現したんだよ。これをどう考えるかはあなたの自由だし、全くゼロから生まれたからこそ、どんな意味や物語を与えてもOKだね。誰もわからないことだから素敵な寓話にしてもいいし、何かの因縁としても、生まれ変わりとしてもいい。できればあなたがそれを聞いてワクワクするものが一番最適だと思うよ。
傾き
もちろんあなたの幼少期の話はあなた自身の話にもかかわらず、特に生まれたての頃の記憶が多くの人には全くない。だからあなたは別の赤ん坊を見てそれを自らと重ね合わせるしかない。ずっと泣いてたり笑ってたりしていてそれ以外は寝ているね。赤ん坊にも感情や性格の起伏が見られて生まれながらにして特徴がある。もちろんまだ言葉で説明することはできないからそう見えているだけかもしれない。けれども、赤ん坊があなたを見て、いつもあなたが気にしている容姿の欠点だったり、昨日お金を使いすぎて財布の中に500円しか入っていないことも、あなたがこれまで人を欺いてしまったことを責めることも、何もなくただまっすぐにあなたを見ているね。まだなんの知識という名の偏見成分がないからだろうね。その姿を見てあなたは無意識的に笑っている。そういう生き物を見たらあなたもゼロであったことを思い出すからだね。そうして赤ちゃんが自我を形成する時期まで愛おしい毎日を過ごすことができるわけだ。
無意味
ゼロから生まれて経験が知識となり自我が形成された結果が今のあなただ。好きなことや嫌いなことという分類を繰り返すことで、その分類の偏向によってより性格が強くなっていくね。良いことや素敵な体験をして楽しんできた人は、何を体験してもチャンスだと前向きに捉える傾向があるだろうし、嫌いなことや嫌なことばかり体験してしまうと、おそらく次も同じようなことになるに決まっているとネガティブに物事を解釈する傾向を持つだろう。さて、あなたはどっちだろう。とにかく毎日の体験を良いことがあったという記憶にするのか、やっぱり今日もしけた日だったという記憶にするのかで全く別世界に生きることになる。だったらどんな出来事でも楽しいと思える方がいいね。だからといって赤ん坊と違うのは、無理に辛いことを良いことにしてやろうなんて思ってしても意味がないね。だってそれは幸せになりたいという欲望を満たすための行動だからだね。赤ん坊は幸せになろうとしてゼロなわけではない。あなたは今更ゼロになれない。でも経験が浅い、まだあまりよくわからないことは見つけられるし、その部分はゼロにすることはできるね。あなたはあなたの仕組みを知って変えていく力はもともと持っているから安心してね。