ちょっと前の昔話

日々

オンライン

現代ではネットワークが発達してもはやなくてはならない存在になっている。一昔前ではパソコンの前にしがみついていないといわゆる「オンライン」にはなれなかったし、接続回線も「常時接続」なんて言葉があったように、常につながっているわけではなく、必要なときにだけつなぐものだった。その当時も携帯電話は当然あったけれども、通信データ単位であるパケット単位で従量課金される料金設定だったから、やっぱり必要のないときに通信をするなんてことは避けて、つなげようとおもったときにいつでもつながる時代であった。ネットとパソコンや携帯の最大の功績は、テキストメッセージを好きな時間にやり取りできる「メール」が非同期で通信でき、それまでのお互いがせーのっで時間を合わせないとできなかったリアルタイム音声通話しかなかったことを一変したことだね。その後通信帯域が増えて画像や動画さえやりとりできるようになった。そしてパソコンにしがみつかないとできなかったことを一変させたのがiPhoneだよ。携帯電話のフリをしているけれど実はネットワークに常時接続している超高性能ミニパソコンがその正体だね。今までは机の上にあるパソコンにしがみついていないと「オンライン」になれなかったのを、それこそポケットに入れさせたのがAppleという会社がやってのけたわけだ。そこからスマホの時代が始まったといって過言ではない。

非同期通信

電話もかつてはスマホのようにインパクトのある発明だっただろう。どれだけ距離が離れていても思ったときに会話ができるのだから、まさに距離を超えたコミュニケーションツールだった。またたく間に世界中に普及していったのもその利便性からだろう。これも「必要な時だけ」に使う道具だったね。少し前の日本では電話で「無駄話禁止」なんて怒られた経験がある人もいるだろう。会社だと「私用電話禁止」だったりね。そんな細かいルールを超えて電話でしか会話できなかった時代だったからこそ、それこそあらゆる分野に電話の技術が使われたね。現代のマッチングアプリなんていうのはそのおかげというか、SNSもそうだけれどすべてはこの音声通信から始まったわけだ。スマホのかけ放題プランに魅力を感じる世代は50代以上からだろう。若者は電話には興味はなくむしろ非同期に通信できず「話したいタイミング」がバッチリ合わないとお互いに楽しくない通信手段は今後どんどん廃れてしまうだろうね。そしてコロナ禍でZoomなどの昔懐かしい「テレビ電話」なんかでIT化が促進されたとかマスメディアは騒いだりしているけれども、残念ながらそれらは電話の時代に逆戻りしているわけだよ。現代の主流は非同期コミュニケーションだから、今どきお互いが時間を奪われる「通話」なんて時代錯誤も甚だしいわけだね。

ベストエフォート

無理・無駄を省くのが正しいとされてきた現代では、必要なときに必要なだけあればいいという考えが潮流となりつつあるね。あらゆるモノを見つめなおしたとき、人生においてずっと手元に置かなければならないモノというものがほとんどないということに気づき始めた。だからレンタルやサブスクが台頭し「所有」から「共有」に変化した。その一番の原因が非同期通信ということ。「やりたいときにやる」「話したいときに話す」という考えの行き着く先がそれだね。必要とされるほとんどのモノはすべて「パーシャル」で事足りるわけだね。サザエさん世代の人生観は、生まれて学んで働いて家庭を持って子供ができて家を買って車を買って子供が巣立って残されるは広すぎる家と終わりを待つ日々だった。そうやって生活環境は一時的に変化するけれども、ずっとではないことが明らかになってきた。家を変えば資産になって子どもたちに相続できますよ、なんて言う不動産営業の人は40年後のその家の価値を知っている。それに子供がそれを望むのかどうかなんて誰もわからない。今を大切に生きるという風潮がより強くなってより自然になったきっかけが「非同期」なんだけど結局は大勢がそうすることで「全体調和」ということになるのかな。