地球にいる
天気
最近流行りのアウトドアで活動している人には当たり前のことなんだけれど、朝起きて一番最初に気になることは今日の天気だね。旅行の計画なんて立てているときは、そういえば天気予報はどうなっているんだと思ったりする。もちろん毎日の暮らしでもニュースの最後の天気は気にはしているが、その重大性が少し違うね。本来地球上で暮らす動物としては、社会が生み出した仕事よりも大事なことは天気というか気候の変化の方だね。おそらくはそれで今日一日をどのように行動するかが変化するだろうし、過ごし方を間違えば命にも関わる可能性があるからね。それが最近ではちょっと違った視点で地球環境の変動を考えようというムーブメントがある。環境負荷という言葉でもって、負荷が大きい産業や都市においてはそれを減ずるように対処するという。地球を守ることが自らの命を守ることに等しいというのは誰も反論できない。けれどどこか環境と身体とを切り離して考えている節があるね。環境はなんだかあなたの外側のものだと思っていたりもする。自然に優しいとか環境保護とかという概念で生まれた言葉は、よくよく考えてみればみるほどよくわからなくなってくる。
感覚
都市生活で通勤・通学で家から一歩外に出る。そこで何を考えていることが多いだろう。スマホを見て音楽で耳を塞ぐ人を多く見かける。通勤・通学時間を有効活用しようとの工夫だね。好きな音楽を聴いてリラックスタイムにしたり、語学の勉強をしていたり、気になる情報を聞いているね。そうやってなんとか自分の人生を生きようとしている。あなたの人生はほとんどが他人やルールに支配された時間を過ごすことが多いことへの対抗策だね。人が社会時間に合わせて行動を強いられるゆえの風景とも言える。もはやそれになんの違和感もなくなっている。一方で野原や山、海で生きる人々は人間社会の時間には支配されていない。どちらかというと自然に時間を合わせて行動するね。だから一分一秒で遅刻だなんだ言われることはない。外に出てスマホの画面で目を塞ぎ、好きな音楽で耳を塞ぐよりも、その時の空気を感じることの方が大切になる。生きる世界が変わると感覚をどこに向けるかが大きく変わるってことだね。
自然
ほとんどが都会暮らしで過ごしてきたあなたは、アウトドアの流行にのってキャンプに来ている。キャンプ場にお金を払ってテントを設営する位置を指示される。さっそく受付からその場所へ向かって移動し、ようやく真新しいテントを広げる。説明書を見てもよくわからないのでスマホでYouTubeの動画をチェックして難なく設営できたね。テントの中も良いもんだとなんだか一国一城の主になった気分でいる。拠点ができたので今度は夕飯の材料の買い出しに出かける。また受付小屋に行けば近所にあるスーパーまでの道を教えてくれた。駐車場が広い郊外にあるスーパーの自動扉をくぐればいつもと変わらない日常に戻る。今夜は奮発していつもは買わない国産牛を買ってバーベキューだと意気込んだ。そしてまた拠点であるキャンプ場に戻って真新しいツーバーナーのコンロで食材を焼き始める。その頃にはどっぷり日が暮れて「アウトドア」を楽しんでいる。羽毛が入った高級な寝袋にくるまって眠るときふと思う。いつもの暮らしと一体何が違うのだろうか、とね。