無心

日々

流行とお酒

流行り廃りがとても短期間で目まぐるしく変化する時代だね。今の流行り病も過去のデータから見ると1ヶ月ももたないだろう。ずっと増え続けるというわけにはいかないのが自然界の妙でいつも感心させられている。日本は古来から発酵食品が身近な食材として発達してきた。もちろん醸造学とか発酵の科学は後付けで科学になったんだけれど、そのもとになるのは自然のチカラそのものだね。簡単な例で言うとお酒は酵母菌がブドウ糖を分解してアルコールを生成するんだけれど、そのまま放置してもどんどんアルコール度数が上がることはない。その理由は単純で酵母菌自体がアルコールの自家中毒に陥るからだね。醸造酒と呼ばれるほうっておいてできるアルコールの度数はせいぜい15度前後となる。日本酒もワインもそれ以上アルコール度数を上げることはできない。その後加熱して酵母菌を死滅させて市販されている。

精製

それ以上のアルコール度数をあげようとすると、醸造したお酒を蒸留していくしかない。原油からナフサや灯油、ガソリンなどを取り出す方法だね。そうやって加熱して液化する温度差でアルコールだけを集めて作られるのが焼酎やウィスキー類だね。だから理論的にはどんどんアルコールの純度をあげることができる。けれどそこには生物の介在はない。自然の生き物が個体数をどんどん青天井のように増やすことはほぼできないね。局所的にできたとしても全体としてはかなり困難なしくみになっている。もちろん、人だけが操れる科学の技を使えば自然界で起こり得ないことを起こすこともできるだろう。面白いと言えば不謹慎になるけれど、流行り病を数えると波になるね。これも個人的にはとても興味深く見ていて、ああ、この世は波でできているんだなと変に納得していたりする。波だから上がりっぱなしには絶対ならないよね。

恐怖と不安

さて、人の心を揺さぶって恐怖と不安で制圧しようとすれば、あなたならどうするだろうか。誰にもわからないことをまずはわかっているかのように語るしかないね。明日どうなっても知らないぞ、とか将来そんなことではうまくいかないよ、とかよく学校の先生や親が子どもに言う言葉だね。老後の不安、事故にあう不安、いつか死んでしまう不安を煽り立てたあとに甘い言葉を投げかける。この方法はおそらく人類が集団生活を始めた瞬間から常套手段としてとられたものだろう。誰もわからないことにスポットをあてて、あたかもわかるような預言者や神や何かの存在を匂わせるのは全世界共通のやり方だと知っているか、知らないかで日々の情報戦争を勝ち抜く力を得ることができる。そもそも恐怖と不安は全くの幻想であって、この世界中を探し歩いてもこれだと捕まえることができない。冷静になればそんなものは「無い」わけだよ。