充足
幻の欲望
いつかやってみたいなと思っていることがある。でもそれは今はできない。どうしてできないかというとそれにかかる費用はお安くないし、時間もない。だから夢のようなものだと思っている。それをしっかりと言葉にしてスマホでも紙にでも書いてみよう。もうやりたいこと、我慢していること、それ以上の何かを片っ端から文字にしてみよう。そして眺めると不思議なことが起こる。多くがお金も時間も関係ないことだらけになるね。世界一速いスポーツカーに乗ってみたいとか、億万長者が住むような大豪邸に住みたいとかはたしかに今すぐには無理だね。でもそれらはどうしてしてみたいかというと体験したことがないからだね。だから一度体験してみたいというのであれば実はレンタカーとか不動産屋さんで内見とかできないこともない。所有するところまで無理だとしてもその片鱗を感じることは今すぐでもできるはずだね。ところがその列記した内容のほとんどが本当にやってみたいことではなかったりする。だから何かしら、今すぐでもできる擬似的体験みたいなことすらもやってないことに気がつくね。
本心
なんとなく今たくさんのお金さえあればいいのにな、と思っている。でもそれはあなたの本心ではない。だから実はその夢が叶うと困るわけだね。この世はあなたの願ったとおりになるとよく言われる。いやいや、そんなことはなく貧乏人はいつまでも貧乏だよと嘆いたりしているけれど、ならそこから脱却するためになにかをしているかと言えばそうでもない。もらえるならもらおうと思っているだけで、それによって今の生活環境が一変するのは嫌だなと心の奥底では思っているね。今のクソみたいな暮らしから脱却するためにどうすればいいのかと書いてはみるものの、具体的な最初の第一歩すら踏み出せないのは不思議なことだね。行動力が欲しいとか、人を集める魅力が欲しいとか、そのことによって人気者になって大金を手にしたいとぼんやり思ってはいる。けれど何もしていないのが実情なのはそれがあなたの望み通りだからなんだと言えば理屈が通るわけだよ。本当のことを言えば、お金が欲しくて仕方がないという暮らしを送るのに抵抗があるんだよ。自然とお金が集まればいいんだけれどお金がそれほど好きでもない人にはお金が集まらないことも知っているからね。
足るを知る
あるべき論やハウツー本は世の中にたくさん溢れている。芸能人の別荘や豪邸訪問などの番組も見たことがあるだろう。ドバイのお金持ちがランボルギーニやフェラーリをおもちゃのように走らせて壊している。お金が余って仕方がないとぼやく大金持ちがいるのも知っている。お金なんかに縛られないようにと自らの財産をばらまいている人もいる。みんなあなたとは違って余裕があるように見える一方で、あなたしかわからない楽しさにあふれる暮らしもそこにはあるね。人生はほとんど運であり、生まれついて大富豪の子どもであればいい暮らしができて幸せだったのにと妄想している。でもそれはあなたの本心ではない。そうなりたかったらそうするけれどそれはおそらく人生のほんの一部であって全てではないことをどこかで感じているからだね。お金という記号があってもなくてもあなたは今が一番幸せだということに気づいているんだよ。