朝と夜の間

日々

そのまま

何も手を加えたりしないでそのままが一番いい。もうひと手間と思ってやってみても結局はそのままが一番だったりする。とっても丁寧に大事に思ってやったことだけれども、どう贔屓目でみてもそのままが一番だね。そのままというのはありのままであって、それ以上でもそれ以下でもない状態のこと。それに塩を降ってみたり、砂糖を足してみたりしても、それはそのままに塩や砂糖が加わっただけになる。ところが、とってもあなたが苦手な野菜があるとして、そのままだとそのままの味でとても苦手なんだけれども、ほんの少しだけ塩をかけてみると嫌なその味が絶妙な味に変わったりすることがあるね。だから塩をかけてみたりしたくなるわけだ。基本そのままのものはそれでもう完成しているんだけれど、ほんの少しの塩味が見事なハーモニーを感じさせてくれるときがあるってこと。その不思議なマジックがあなたの日常ということなんだよ。

目が覚めたら朝だった。それはそのとおりそのままでそれ以上でもそれ以下でもない。朝は初めてですか、と聞かれても朝は何度も体験している。朝は朝でそれに塩をかけても朝だね。違いがあるとすればその日の天気や季節によっては日の出の時刻が変わって明るかったり暗かったりするぐらいかな。あなたは朝に特に何も感じないまま朝を迎え、気がついたら夕方になっているような毎日を過ごしている。その事自体がまさにマジックなんだけれども、何度も体験したあなたはそれに気づかない。自らの人生を変えたくてそのままの朝に手を加えようとしている。今話題の「朝活」なんかを意識して少し早めに朝を迎えて、朝の時間を有意義に過ごそうとかしているね。朝をもっと意識して朝を感じようとしているわけだ。そうすることによってあっという間に夜になるけれど、朝が充実したという実感がその日の気分を大きく決定することに気がつくわけだ。

無意識

朝を捕まえようとしてもやがて夜になる。なら夜を捕まえようとしてもやがて朝になる。そのリズムの中でこれまでも生きてきた。朝はそのまま朝であり、夜はそのまま夜なんだよね。それに手加減を加えて違ったものにしようとしても結局は何も変わることはない。ほんの少しの工夫や変化が思わぬ相乗効果を感じさせてくれる一瞬があるということ。その片鱗を垣間見たということが一番大切なことだね。それはすべてが繰り返す波のようなものでできているということ。その波の一端をほんの少し触れる瞬間が先にいった、見事なハーモニーを感じた瞬間だね。それがあなたの人生の一端を触れたことと同じぐらいの奇跡だね。ちょっとこの世の正体のしっぽを掴んだかもしれない瞬間だということ。そしてそういう毎日を実は送っているんだということだね。