さよなら人類
ダメな人間
頭がいいとか悪いとか、相手を論破して正義を振りかざすやつとか、自分の価値観を押し付けてイラついているやつとか、いずれにせよ地球上で一番不要なのが人間であることは間違いないみたいだね。おそらく世界から、地球から、宇宙から人間がいなくなったらとても穏やかな空間がそこに広がるだろうね。誰のものでもない地面を取り合いしたり、なんの関係もない人を爆弾でバラバラにしたり、その愚かな人殺しを理屈でこねくり回して正当化したりしている。あなたがこの世のものではない立場からそれを少し離れたところから見ているとするとどう感じるだろうね。生物は自分の種を残すために存在するものとして考えれば、ある日突然仲間同士で殺し合ったりするのはどうにも理解できないだろうね。あなたがもし生物の研究者なら、この実験は失敗だと言ってそのシャーレを滅却処分するかもしれない。
正義は幻想
正義とかいい人とかは価値観であって歴史的に一定であったわけではないね。中世のヨーロッパではお祈りの時間が人生そのものであって、その利を得るのは来世であった。だからこそ生まれ変わりがあるわけだね。アジアでも、地獄と天国があるのも、今は苦しいことや辛いことがあるけれども、それは死後の続きの世界の序列が上がるためだとかいう仕組みになっていた。だからこの世は前哨戦みたいなものだから、ここで色々と徳を積みなさいということになる。すなわちこの世で命を削ってでもがむしゃらに働いたり努力したり、死んでも結果を出さなければというような「死んだら終わり」という現代の価値観とは全く逆のかけ離れた世界観だったわけだ。おそらく時間の流れ方そのものが全く異なっていただろうね。近代化に向けて正義とか悪とか大義名分なんていうのはその後に出てきた。きな臭い戦国時代や植民地支配である帝国主義が跋扈したね。あの世がパラダイスと信じてた時代から、死ぬんだから現世で精一杯生きろという号令に変わったわけだね。そこでいつも犠牲になるのは若者であって、年寄から先んじて犠牲になる戦いは不思議とない。
ポンコツ万歳
そういうことを鑑みると、あなたが信じて疑わないようなものはすべてポンコツだということだね。できればあなたの頭ごと切り落とそう。そうして新しい頭を付け替えるぐらいの変革が必要だということ。これまでの成功体験とか自慢したい苦労話とか人生で大切にしてきた言葉や信条なんかはすべてゴミだ。それぐらい時代が次のステージへ駆け上がっているのにも関わらず、悲しいことに戦争や内戦という旧式な病を発症未だにあちこちで発症しているね。遠く離れたアフリカでの出来事なんて普段はそれほど報道されることもない。大国がけしかけると大騒ぎになる。でも難民は世界で2000万人とも言われている。自国やふるさとで暮らしたくても戦いが収まらないので帰るに帰られない人々がずっと前からいる。人間とは賢そうな振る舞いをしているだけで実につまらない生物だね。だからこそ、すべての人が愛すべき存在でもあるとも言えるんだけれどね。