春風
つまらない
最近何をやっても力がいまいち入らずつまらない日々を過ごしている。以前は好きだった趣味も随分とご無沙汰となり、今では手に取る機会もめっきり少なくなってきた。季節は気がつけば新生活が始まる春に変わり、今も三寒四温でまだちょっと肌寒かったりする日もあるけれど、だんだんと春に変わっていくのを身体で感じている。何かと慌ただしい日々だから、やる気がそんなになくてもやるべきことが色々あったりするからそれでなんとか活力を維持している感じだね。季節の変わり目は体調も気持ちもいまいちパキッとせず気だるい感じのやや生暖かい日々を過ごしていたりする。
充足
寒い日々が終わってウキウキするはずの春なのに、なぜか心がそれほど踊らない。その原因はおそらく暖かくなって身体はとても楽になって充足したからだね。言い換えればお腹いっぱいの状態とも言えるね。腹が減ってるライオンは獲物を必死に探し求めている。とにかく獲物を仕留めないと命が危ないからだ。おそらく何日も歩き回って死にものぐるいで仕留めた獲物は格別だろう。渇望していたことが達成できたときに味わえるのが充実感だね。ところがあなたはどうだろう。だんだん暖かくなって新生活に目処も立って、不足する多少のものがあったとしても命に関わることでもなくちょっと不便を強いられるぐらいのことしかない。よくよく考えてみれば明日食べるものもないとか、来ていく服がないとか、住むべき住居がないとかという状況ではないね。
渇望もどき
それらのことからわかることは、つまらないという気持ちが生まれるのは、渇望がなく十分に満たされているからということになるね。それ自体が大きな不満であるように振る舞うのでそんなことはないと感じるだろう。だからつまらないのは満たされないからだと考えるのが通常だと思っている。ところが、つまらないのは満たされているからだ、なんて言われてもピンとこないね。でもつまらない原因を探していくと生命維持に関わるあらゆることに不安がない状態でしか感じられないモヤモヤであるということが判明する。すなわちつまらないという不満を解消するために何かを得てもそれが解決策にはならないことを証明している。現にどんなに贅沢をしても欲しいと思うものを片っ端から手にしたところで、つまらないという不満めいたその気持ちは晴れることがないはずなんだけど、そんな経験ありますかね。