今しかない世界

日々

未定

未来は何も決まっていないから、今日という日の積み重ねが過去となり、その礎が未来につながる。なんて言われてもピンとこないね。ただすべては未定だというのには納得がいく。もちろんやがて時が経てば死んでしまうということは決定事項ではないかと反論するだろう。しかし、それも大きな意味では未定だね。あなたが体験できない現象だから生まれることと死ぬことは誰か他の人の様子しか見たことがない。それらの観察から導き出される答えがやがて死んでしまうんだろうなという予測をもたらしているけれど、本当にそのとおりになったと答え合わせする瞬間は永遠にこないね。そういう意味ではすべてが未定だと言っても間違いではないだろう。

予定

仕事でも遊びでも予定を立てることから始まるね。明日何をして遊ぼうと今決める。仕事のアポを今日カレンダーに入れる。来週の打ち合わせの予約を取るのも今日だね。予定は今決めるものだ。いやいや来週とか来月とかは未来だろうと思うだろう。確かにカレンダー的にはそうだね。来年の誕生日にとびきりのプレゼントの計画なんて立てているかもしれない。それは来年であるし、再来年には親しい人の結婚式が予定されいたりするかもしれない。あなたはこれらを未来と呼ぶ。でもそれらは今知ったことだね。すべては今に何かが起こっている。そこに気がつくかな。

過去

実は過去も未定であると言うとかなりの反論があるだろう。苦しかった過去の記憶は、実は今あなたが生み出しているなんて言うとひどく立腹するかもしれない。確かに思い出深いというか忘れられない過去はあなたをずっと苦しめているだろうし悲しい思いで胸が詰まるだろう。でも、何かの拍子でその記憶が消えたりしたらどうだろう。今が少し楽になるだろうか。それともあなたは別人のあなたになるのかな。この記憶や性格、考え方の癖みたいなものは生物学的には刻々と変化していることが科学的には証明されていたりするね。例えば老いていく現象の中では認知症であったり、そこまでひどくなくてもあれほど楽しかった青春の思い出が今や顔と名前が一致しなかったり、曖昧になって霞がかかってどうにもこうにも思い出せないところが出てきたりしている。脳細胞も実際どんどん減っていることもわかっているからね。今となってはそれは本当にあったのかすらわからなくなるし、あなたのいい思い出も悪い思い出もあなたがいなくなることがあればすべてなくなるわけだ。そしてそれを覚えている誰かもいなくなればこの世から跡形もなく消えるわけだね。だから一番はっきりしている今を大切にすることで、未来も過去も書き換え可能というわけなんだよ。