こんなはずじゃなかったのに

日々

冒険

いつもと違う道を通ってみる。すると知らなかった風景がそこにあったりする。これも立派な冒険だね。いつもとは違うお店に入ってみる。意外と料理は美味しくて雰囲気が心地よかったりする。ああ、近くにこんないい店があっただなんて、と愕然とする。これも冒険だね。冒険とは命がけでなくても、いつもと違う選択肢を見つけてそれを選んでみるというだけでもつかの間の非日常を味わうことができるね。でもこれまでを振り返ったとき、どの手慣れた体験でもはじめの第一歩があってのことだね。いつも通いなれているお気に入りのお店も初めて見つけたときのドキドキはたしかにそこにあった。だからこそ今はいつもの店として少し色褪せてしまっていたりする。だからいつもの帰路やよく行くお店が悪いわけではなく、ほんの少しの勇気をもって世界を広げるチャンレジを忘れないということが大切だね。

引越し

一番日常が再構築されるのが「転居」だね。とにかくこれまで住み慣れた街から離れて居を変えると、いつもがすべて崩れ去る。だからいつもの店を再び探すところから始まるね。かなりのストレスだけれど、ガラガラポンするにはもってこいの環境といえる。だから家を買ったりすると引っ越しもままならなくなるね。お金持ちがセカンドハウスや別荘まで欲しくなるのはおそらくは冒険心からかもしれない。構築された日常を少しだけ打ち破って非日常の出会いから始めるための別天地が欲しいのだろう。それほどのお金がない人は旅に出ることになる。旅も非日常を体験するのにもってこいなアクティビティだね。期間は限定されることが多いけれど、それこそ見知らぬ街で新たな出会いや発見を期待している。家が大好きで引きこもるのもいいけれど、刺激を求めていつもの景色を変えてみるのも同じぐらいの楽しみなのかもしれないね。

いつもの日常

冒険の原理を抽出すれば、何も大それた冒険計画なんてなくてもいいね。いつもと違う行動をすれば立派な冒険となるのだからね。なーんだそんな簡単なことかと頭で理解しても、実際に行動に移せる人はほんの僅かしかいない。それはなぜか。失敗するのが怖いからだね。ようやく出会えたお気に入りのお店で晩酌を楽しんでいるのに、その機会をわざわざ逃してまでよくわからないお店に飛び込むんだからね。もうその時点でかなりいつものお店に肩入れしていて公正な評価とはなりにくいわけで、それを超えるようなお店はそう容易く見つかるわけもない。そういう原理が働いて頭でわかっていても身体は動かないわけだ。だからこそ大げさで大胆な計画をでっち上げないと冒険はできない、というのが本当のところだろうね。そこまで追い込まないと冒険はできないのはそういう理由だ。最初の一歩は誰しもかつて踏み出したから今がある。あのときにできて今できない理由はない。でもだんだんずる賢くなって計算高くなってしまったから、損することだけにフォーカスしてしまっている。こんなはずじゃなかったというのが人生そのものなのにね。