答えのない問題
人生の問題集
世界ではもっと大変なことが起きているんだろうけれど、あなたにとってはぶっちゃけ遠い存在に感じている。そんなことよりあなたを悩ませるそれらはいつも身近なことであって、健康や美貌や人間関係やお金の悩みがほとんどだね。逆にそれ以外の悩みはちっぽけなことだと言われてしまうかもしれない。いつも元気でいたいし、いつもきれいでいたいし、いつも朗らかにいたいし、いつも余裕を持ちたい。それらが人生の主たる命題であるし、それらが全く思い通りにならないからこそ、解決すべき問題としてあなたは常にその解答を求められている。しかもそれらは答え合わせができそうで、模範解答例しか載っていないので現実的にはできない。その模範解答例をしっかりと理解してあなたの問題に噛み砕かないといけないからね。
問う力
そもそも問題集にあるような典型的な課題なんていうのもそもそも起きない。あなたに降りかかる問題はほとんどがその問題集の応用類題だね。ドリルで反復練習するわけにもいかないので、問いを自らたてる必要があるし、その問いの性質からあなたがそれらをどの分野でのものかを選別しなければ、そもそも問いすら危うくなるね。だからできるだけ解決方法を知っている問題にコンバートする必要があるのだけれど、なかなかそう簡単にはいかないのがほとんど。もう面倒になって全部人のせいや環境のせいや親のせいとかにしてとりあえず胸をなでおろしている。自らが問いをたてて解決すべき問題だろうけれど、それをあなたではない外的要因に置き換えてしまうことで「ほら、この問題はどうしようもないね」と演出することで、要するに解決を求めず放置することをごまかしている。それだと解答できないバカだと思われないで済むからね。
意見と反応
ほとんどの人は自らの意見を発することができない。相手のほころびを見つけて騒ぎ立てたり、羨望からくる嫉妬でプライベートを明かしたり、悪い噂を立てて社会的に抹殺しようとする。さらにそれらが正義だと信じて疑わない。正しさの幅を感じることもできず、ただひたすらにしかめっ面した正義のヒーローを演じてしまう。仕方がないのはそれらはすべて学校で習ったことだからね。集団にとっての悪は目立つこと。それは皆と歩調を合わせられないのもそうだし、周りよりも抜きん出て目立つこともそう。すべては平均的に振る舞い、替えの効く歯車のように存在感を消し去るのが正解だからね。悪魔は今日もあなたに「そんなつまらない正義なんて捨てちまえ、おまえはおまえだ」と耳元で囁いてくる。あなたはその言葉の反動でいつも何かをしでかしている。ただそれだけのことだよ。だからそこから脱却するにはどうするかはもうわかるよね。もちろん裏に答えは書いていないよ。