揺らめく世界

日々

振り幅

出来事は振り子のように大きく中心からずれることによって印象深くなるね。あなたが何も感じないときを仮にゼロとして、そこから右に10ずれるか、左に10ずれるかでいつもと違うと思っている。仮にそれが右にずれている場合は良いことが10ぐらいの大きさであったとあなたは表現する。そしてそれが左の場合はあまり良くないことが10ぐらいの大きさであったと感じている。その振り子はもちろん外乱によって常に動いている状態なので、良いことがあれば悪いことも起こるのはその中でいつも揺れているからだね。ただし右側が良いことで左側が悪いことというメモリはどこにもなくて、今までの習慣や誰かと比べた結果そう思ってあなたがそれを決めたことだ。そしてその振り幅はいつもは少しぐらいで収まっているけれど、それがぐんと大きく振れたときに特別な感情を抱くことになる。いつもはプラスマイナス10ぐらいで揺れているのが、50ぐらいの振り幅になると文字通り心もそれと同じく揺さぶられてしまう。それがあなたからして右側であればとても良い事があったとなるけれど、同時にいつもとは違うスペシャル感もそれだけ大きいということだね。それと同時にそれを失ったらとても不幸だという恐怖も感じている。

可能性

時代の大転換期である今は、その揺れ幅が大きくなる傾向にある。すなわちそれは今までとは違う可能性がプラスされるわけだね。いつもは10ぐらいの振れ幅がプラス10ぐらいの可能性がプラスになる。その分あなたにとっては慎重になるかもしれない。いつもと違う大きさだから仕方がない部分もあるね。そこで守りに入ると振れ幅をできるだけ小さくするように対策を講じる。すると振れ幅はいつもと同じ10になりいつもと同じだと安心することができる。でもそれと引き換えに良いことも悪いこともいつもと同じになってしまうから、どんどん大きく変わる波の中であなたは端っこで小さくまとまってしまうことになるので気がついたら大きく状況が変わってしまうことがある。すなわち、気がついたら振り幅もより小さくなってゼロに近くなるってことだ。その結果良いことも悪いこともすべてがなくなってしまうことを意味するね。

良し悪し

要するにすべての出来事は裏表の関係を逃れられないわけだ。良いことがあると同時に悪いことも存在しないと良いことが成立しない。それを便宜的にあなたはそうしているだけでそれに絶対的ななにかがあるわけではない。100万円ゲットしたということが良いことだと思うとして、同時に悪いことは100万円を奪われるかもしれないという脅威が生まれたとも言えるね。お金持ちになってのんびり暮らせるようになったことが良いことだとすれば、その分刺激的な体験を失ったとも言える。好きな人と楽しく暮らせることを得たら、いつかは別れを体験することも確約されている。そういう中でこの世のすごい人や偉い人と定義されている一つのものさしは、その揺れ幅の大きさだね。100万円よりも100億円とか、10人と仲良くできるよりも100万人に嫌われる方がすごいとされている。そのからくりに気がつくと馬鹿らしくなるね。良いも悪いも特に捉え方次第でフニャフニャしているものであって絶対ではない。その揺れ幅も大きい小さいは特に問題でもない。そういうことだよ。