生き生き

日々

焦り

このままではいかんと思っていつも過ごしている。心から安心したことなんて振り返ってみれば一度もないのかもしれない。いつも何かに追われ何かを求めてもがいてきた。手に入れようとしているそれらはこれまで手にしたこともなく、おそらくこれからも手にすることがないような気持ちになっている。それでも現状のままなんて考えられないので、なんとか安心を手にするために不安になり続けている。もっというと安心するための必要条件が複雑過ぎるので単純化するために必要なものといえばとりあえずお金ということにしている。それ以上は実は生まれてこの方体験したこともないのでよくわからないからだね。お金さえあれば何でも手に入るしやりたいことが叶う魔法みたいなもの。それしか知らないしそれ以外はよくわからないからそれだけを求めて損か得かで生きているのがあなたという幻想だね。

進化

何を手にしないと安心できないとしたら、何も手にせず生きているものはすべて不安で苦しいはずだね。やりたいこともできずそれこそ何のために生まれてきたのかと生命を呪いながらその生涯を終える。そこにはあなたからみれば絶望しか見えないね。ところがそうであるはずのあなたの身の回りの生命は、あなたよりも生き生きとしているように見える。そういう矛盾と折り合いをつけるために人類は叡智をもった一番進化した生命だという説明を試みるわけだね。それも一番おかしいのはそう言っているのが当の本人だけであって、それに同意してくれるその他の生命は今の所誰もいない。それも言語を持ち合わせていないからだと都合のいい解釈をして溜飲を下げている。そんな様子を眺めている神様がいるとしたらどれほど滑稽な出来事だろうか。

魂があると思っていたロボットが、いつの日かそれは事前に組み込まれたプログラムで喜びや悲しみを感じるように設定されているだけだったと知るとき、そこに特別な私は不在になる。それでもロボットはいつものように笑ったり悲しんだりする表情を絶やすことはない。あなたも同じだと知ったとき、あなただと思っていたすべてが事前に設定された単なるプログラムであって、いろんな場面に応じて決まった反応をするように設定されていたとしたらあなたという感情は一体なんだろう。そういう感情や思いさえもそうなるように組み込まれたものだとしたらもはやあなたはどこにもいないことになる。あなたが損得感情を捨て夢中になにかに没頭しているときはたしかにあなたは消えてなくなっているね。ずっとでしゃばってきたあなたが不在のとき、それこそ生き生きとしているわけだ。