つぶつぶ

日々

縮尺

この世はつぶつぶでできているらしい。例えばこのスマホの画面や液晶テレビなんかの画面を虫眼鏡で見てみるとわかる。これはつぶつぶが光ったり消えたりして文字や画像のようなものを再現しているわけだ。この「ようなもの」っていうのが重要で、拡大すればするほど実際の紙にインクで書いた文字とは違っているね。ところが紙にインクで書いた文字もどんどんそれ以上に拡大していくと似たような構造になっている。曲線だと思っていたところは拡大すればギザギザなんだよね。ところが遠目でみることになるからそれは曲線に見えるだけだ。素敵な思い出の写真も動画も基本的には画面のつぶつぶが光ったり消えたりしてそれっぽく再現しているわけで、あなたは光の粒の塊を見て現実だと思いこんでいる事実がそこにあることに気づくわけだ。一つ一つの光だけを拡大すればすべてがついたり消えたりしているだけの世界ということになる。

現実

すべてはまやかしであなたがみることができる世界はついたり消えたりしている光の世界でしかない。それっぽく光っているものを見てあなたはそこに幻影を浮かべている。それが映像なのか現実なのかの違いは触ってみての感触や匂いに頼っているわけだ。すなわち今のスマホの画面からは感触が感じられないし、美味しそうな料理の画像はたくさん見られるけれども匂いまでは再現できない。ところがテクノロジーの進化によって将来的には触ってみる感触を得られたり、匂いとかも再現できれば現実か現実ではないかなんていう境界線がまた一つ移動するわけだ。そしてそれらは一見あなたからみれば複雑怪奇な事象に思えるけれども、実際にはスケールを拡大してみれば結構いい加減な触覚や嗅覚の信号に過ぎなかったりする。そんな世界がどんどん擬似的に再現できればもはや現実なんて書き換えてしまおうと思う人がもしかしたら増えるかもしれないね。

シンプル

あなたには厄介なことや悩みごとがたくさんある。素直に生きようとしても必ずそれを邪魔するやつが出てくる。ならずる賢くやってやろうとしてそれがたとえうまくいったとしてもなんだか虚しい。でもそれらを体験するために生きているわけだし、それらがなにも起こらなければ眠っているのと変わらない。どれをもって幸せと呼ぶのだろうと考えてしまって幸せという幻想をまた一つ増やしてしまうことになる。幸せでも不幸でもないつぶつぶの世界があなたの世界なんだということ。スマホの画面のつぶつぶがついたり消えたりして文字のようなものを浮かばせている。紙の本ではインクのシミを文字として見ているのと同じだね。そしてそれらのシミであなたの人生はできている。なぜならあなたの人生は言葉で埋め尽くされているからだね。だから言葉や文字そのものがあなた自身であって、決してスマホ本体ではないことはわかるね。