いつもの調子
無反応
ある日突然いつも使っている道具がどうも調子が悪い。だからそれを修理しようとする。でも面倒だからそのまま騙し騙し使っていたら、ついに壊れてしまう。仕方がないので新しいものを買う。それでいつもの調子を取り戻す。それと同じことを色んな場面で応用しているね。友達との何気ない会話の中で、余計な一言を言ってしまう。すると友達が怒り出してもう会わないと立ち去っていった。なんとか元通りに仲良くなれないかと色々考えてみるけれど、面倒なのでそのままにしておく。するとそれを心配した人が新しい友だちになったりする。それでいつもの調子を取り戻す。形あるものはいつかは壊れるし、なんだか冷たいようだけれど一旦こじれてあなたのもとを去っていくのも両方自然の流れで何らおかしなところはないね。出会って、なにかあって、別れてまた出会う。気がついた時からそういうのを何度も何度も繰り返している。逆にそうでないことを探す方が稀であって、極めて不自然だね。その不自然さの代表があなたという意識だ。あなたは生まれてこの方あなたという役を演じ続けている唯一の存在だね。
ジタバタ
何回もそれらを繰り返して気がつくことは、トラブルや事件や何かが起こってからジタバタなんとか元通りにしようとすればするほど事態は悪化するということだね。それは後手後手になるからであり、おそらくタイミングが全部ずれているのが原因だと思う。何かが起こってからなんとかしようとするのは手遅れで、そうならないように先手先手をうまく打ち続けなけばならない。だから起きたものは仕方がない。だからといって傍観者になれるかというとその渦中にいるわけなのでそうもいかないことが多い。だからトラブルを見ないふりをするのではなく、トラブルの渦中にどっぷり浸かるといい。台風のど真ん中は意外と静かなように、トラブルを避けようとすればするほど暴風雨にさらされるわけだからむしろ思い切ってトラブルの芯にあなたがなるつもりで一体化する気持ちの方が、かえって何事もなかったように静かになったりするから面白いね。そんな姿を他人がみると冷静な人に見えるだろうけれど、やっている本人はその中心で大声で叫んでいる。
あなた
すべてが入れ替わり構造がどんどん変わっていく。それを見てあなたは自然とはこういうものだと知る。不変なものは何一つなく、一見そんな感じのものはあなたが感じることができないぐらい速いか遅いかの変化であって、すべてがそうだと断言してもいいくらいだね。そしてあなた自身も実はおおよそ7年ぐらいであなたの多くが全く新しい細胞に入れ替わっている。ざっくり言えば7年で生まれ変わっているといってもいい。そうやって繰り返しているにも関わらずあなたの外見は大きく変化しているね。脳細胞は新たな細胞が作られることもなく死滅していく一方なのでかなり減ってきているはずなのに、あなたはずっと変わらずあなたでいられるのは奇跡だね。最終的にボケてしまってようやくあなたはあなたであることをやめるときがくるのかもしれないけれど、それは第三者がそう見えるだけで本人であるあなた自身はどうなっているかはあなたしかわからない。おそらくあなたはいつもの調子だと思っているはずだろうけれどね。