中辛が好き

日々

低評価

あなたは好きでそれを夢中でやっている。するとある日突然それは取るに足らないと見知らぬ誰かから批評される。それを見たあなたはひどく傷つく。それと同時に怒りが湧き上がる。なんにも知らないくせにと憤る。もう感情に振り回されてどうしようもなくなる。そうなると必ず体調が悪くなる。すっきりしないもやもやを抱えながらだんだん気も弱ってくる。するともしかしたらその低評価も一理あるかもと思い出す。そういえばちょっと思い上がっていた部分もあったかと反省する。なんだか切なくなって今度は泣きたくなる。そのときふと見上げた空は今日も青かった。ああ、明日からまた頑張ろうと思う。なんだか力が湧いてきた。そしてまた夢中になってやっていると、また誰かに批評されるというサイクルを何度も何度も繰り返しているね。

表裏一体

もしも、誰もあなたを批評しなかったらあなたはずっとご機嫌だろうか。先でいうところのあなたは好きでそれを夢中でやっているのみとなる。夢中になったきっかけはなんだろう。今度こそという思いと挫折の苦さがその原動力になっているね。そういう苦く切なく辛いことがあるからこそ、夢中になって少しだけ評価されたりうまくいったりすることに大きな喜びが感じられるわけだ。残念ながらすべてが表裏一体となっていて、その片方だけをずっと感じることができないようになっている。苦労するから幸せがあり、幸せがあるから辛いことも同時にそこにあるわけだね。コインがあれば裏と表が同時に存在するようにそうなっている。裏だけいらないと思ってみても、裏だけをどんだけ削ぎ落としても表がなくならない限り裏はずっと消えないね。ならすべてなくしてしまえと思えば、コインそのものが消えてなくなる。幸せも不幸もなくしてしまえば、あなた自身が消えてなくなるわけだ。

まるごと人生

だから辛いことも悲しいことも、楽しさや嬉しさもすべてが愛おしいわけだね。まるごとの人生をくるくる回して楽しんでいる。表になったり裏になったりするのはあなたの人生がまさにそこで躍動しているからだ。それを細かくみじん切りにして、これは甘い、これは酸っぱい、これは苦いって味見しているだけのこと。苦いときは本気で苦いから、涙が出ることもある。そこだけを切り取れば辛いだけだね。甘いときがずっと続けばいいと願うけれど、全部甘くても微妙な甘さの違いに気づいてそれはそれで不機嫌になる。一番甘い方がいいとね。いずれにしてもほんの一部を味見して、感想を言って楽しんでいるだけのこと。やっているうちにそれすら忘れてしまうけれど、最後にはゲームオーバーになってなにもかもなかったことになるのなら、まさに楽しんでいる今に起こるすべてが全て愛おしく感じるはずなんだけれどね。